大島紬技術専門学院修了式

4人の門出を祝福し、修了証書を授与した本場奄美大島紬技術専門学院修了式

修了生4人の門出祝福
2年間織りの技術学ぶ

 本場奄美大島紬技術専門学院(校長・前田豊成本場奄美大島紬協同組合理事長)の2019年度修了式が24日、同組合会議室(奄美市名瀬浦上町、奄美市産業支援センター)で行われた。2年間にわたって織りの技術を学んだ4人の女性修了生の門出を祝福し、修了証書を授与した。

 事務局によると、17年度までは1年間の修了期間だったが、国からの補助の関係で18年度から2年間修了に期間が変更となった。

 修了したのは、高野菜南子さん(23)=長野県出身=、川﨑安津子さん(54)=富山県出身=、山下明希さん(21)=奄美市名瀬=、碩サナエさん(70)=龍郷町中勝=の4人。講師は栄夏代さん(織りの伝統工芸士)が務めた。

 修了式には、欠席した高野さん以外の3人が出席。前田校長は「先生の指導により織りの技術を習得され、修了式を迎えることができたこの経験は、生涯忘れることのできないものとなったと思う。本場大島紬は歴史ある伝統産業。2年間の経験を基礎に技術向上に努め、産地活性化のために役立たれることを期待している」と式辞を述べた。

 この後、前田校長から3人に修了証書を手渡した。栄講師は「2年間頑張ってくれた。おめでとう。今後、難しい柄に挑戦してください」と激励した。

 事務局によると、今回の4人の修了証書番号は「441号~444号」。

 川﨑さんは「難しかった。2年間自分なりによく続いたなと思う。今後の進路は未定」と話し、父親が紬の仕事をしているという山下さんは「おばあちゃんが紬を織るのを見ていたので簡単だと思っていたが、実際には織りは難しかった。織る場所があれば、織りを続ける予定」と述べた。碩さんは「40数年前に4~5年、織りの経験があった。しかし、当時と比較して今の織りは難しく、奥が深いと感じた。休み休みしながらやってきたから続けられた。今後の進路は未定だが、織れたらいいかなと思う」と笑みを見せた。3人それぞれ2年間を思い出すように感想を話した。