「さねん」が木彫り看板制作

看板にニスを塗る障がい者就労支援施設「さねん」の利用者=19日、和泊町=

地下ダム中央管理所、26日に落成式
障がい者就労支援施設

 【沖永良部】現在工事が進められている地下ダムの中央管理所が完成し、26日に落成式がある。式典で披露される木彫りの看板は、和泊町の障がい者就労支援施設「さねん」が制作した。島の農業発展を願い、「さねん」の利用者が彫刻刀で一文字ずつ彫り込み、仕上げた。

 看板は屋久杉の一枚板を使用。大きさは縦2・2㍍、横50㌢ほど。国営水利事業所の建設工事を担当した(株)宗岡組が制作を依頼した。

 「さねん」を利用する大栄幹雄さん(65)と、施設スタッフで職業指導員の松岡泰治さん(34)が中心となって作業を行った。2月上旬から、完成まで約1カ月半かけた。

 沖永良部高校書道部の生徒が書いた「地下ダム中央管理所」の型紙に合わせて、彫刻刀で丁寧に彫り込み、その後文字を彩色。最後にニスを数回にわたって塗り木目を際立たせた。

 「さねん」では、看板やベンチなどの木工製品を手掛けてきたが、屋久杉での制作は初めて。松岡さんは「木が硬くて、落成式までに作業が終わるか不安だった。今は達成感でいっぱい」と話した。

 国営沖永良部水利事業中央管理所は、沖永良部高校近くの県道沿いに建設。地下ダムの貯水量や揚水機場の稼働状況、島内の各ほ場へ水を運ぶパイプラインの水量などを遠隔で監視する。