アマミセイシカ活用勉強会

山下さん(左から2人目)がアマミセイシカなどの植物を案内


アマミセイシカの花びらの特徴を説明する山下さん

宇検村ガイド協 観察通して理解深める

 宇検村ガイド協会(松枝孝一会長)は29日、同村湯湾の村活性化センター結いの館などでエコツアー等におけるアマミセイシカの活用に関する勉強会を開いた。協会のガイドなどが参加し、座学や現地で開花しているアマミセイシカなどの観察を通して、ガイド知識の理解を深めた。

 同協会はガイド技術の向上や、自然保護意識の高揚に植物の専門家を招いて勉強会を企画。勉強会にガイドや役場職員など約10人が参加。奄美大島自然保護協議会のパトロール員で植物写真家である山下弘さんが講師となり、自作の植物目録などの資料でアマミセイシカなどを解説した。

 山下さんはアマミセイシカが絶滅危惧種であることや、自生地により花期が違うことなどを紹介。「奄美が世界自然遺産になった場合、アマミノクロウサギ同様にシンボルになり得る。世界で奄美大島にしかない『宝』として守ってもらいたい」などと話した。

 続いて村の地域おこし協力隊の桑野由里子さんが、観光プログラムの作り方やガイドマナー、エコツアーの注意点などを配布資料で説明。桑野さんは、「ガイドツアーでは黒字と安全が大事になる。自分の声が届き目の届く範囲の人数で案内し、リピーターになってもらえるよう話してみてほしい」とアドバイスした。

 座学に続いて実際にアマミセイシカが開花している河内川渓流沿いの村道奄美中央線に移動。山下さんの案内でポイントごとにカクチョウランなどの希少種や観光客から質問が想定される植物を観察。参加者は花の写真を撮り、山下さんの話をメモしてガイド知識の向上に努めた。

 観察を終えて山下さんは、「秋にもいろいろ違う花が咲くので、植物観察会ができる。エコツアーの可能性は十分にある。伐採する時は、アマミセイシカ以外の植物にも配慮してほしい」と締めくくった。

 勉強会に参加した松枝会長は、「ガイドが勉強して成果を、村民に観察会などとして還元したい。アマミセイシカが咲いている現地は清流もきれいで、一見の価値ある。詳しい人に聞けて、とても勉強になった」と話した。