ネット通販で応援キャンペーン

県特産品協会が開設した「どんどん鹿児島!かごしま特産品応援キャンペーン」のホームページ

物産展中止で損失1億5千万以上
黒糖焼酎業界 飲酒機会減に不安も
県特産品協

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月以降、東京や大阪の百貨店で開催予定だった観光物産展の中止が相次いでいる。(公社)鹿児島県特産品協会は3月27日からインターネット上で県産品を購入できるキャンペーンサイトを開設し、消費拡大を試みる。

 同協会によると、2月末から相次いで都市圏の百貨店での物産展が中止となり、その損失は1億5千万円以上に。特産品製造業者の中には個別で百貨店主催のイベントに出品する業者もあるので、協会が把握する以上に損失は膨れ上がっている可能性もあるという。

 物産展中止により、出品できなくなった商品を、感染リスクのない形で販売するため、ネット上でのキャンペーンを開始。これまでお中元・お歳暮などギフトを扱っていた通販サイト「かごしま特産品ねっと」内に「新型コロナウイルス感染症緊急対策事業『どんどん鹿児島!かごしま特産品応援キャンペーン』」の特設ページを開設した。

 県内事業所の申し込みを受け、4月1日現在で43品目を同キャンペーン商品として出品。いずれの商品も産地直送で、商品の注文を受けた同協会がメーカーに連絡し、メーカーから発送する。また、県内の通販サイトを持つ事業所の紹介などのページも設けた。

 同協会の遠矢喬志事業部長は「このような状況だからこそ、多くの人にサイトを通じて特産品を知り、買ってもらいたい」と消費者に訴える。また、事業者らには「イベント等が中止となり、売る先のない商品を抱える企業も多い。微力だがサイトで販路拡大を図りたい。協会会員でなくとも希望があれば掲載したいので、申し込んでもらえれば」と呼び掛けている。

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 奄美を代表する特産品、黒糖焼酎業界にも新型コロナの打撃が響く。県酒造組合奄美支部の乾眞一郎支部長は「物産展はほとんど中止になり、ゴールデンウィークのイベント中止も決まってきている。商談に行けないという話も聞いている。この1~2月は全体的に売り上げが良く、3月も好調と見込んでいたのに」とこぼす。

 物産展は感染拡大防止に向けとして、“試飲なし”で開催していた時期もあったが、「飲んでもらわないことには売りづらい」と乾支部長。物産展中止のほか、歓送迎会や花見の時期の自粛ムードで、飲酒機会が減少することへの懸念も膨らむ一方だ。

 県特産品協のキャンペーン開催については、乾支部長は「特産品協には黒糖焼酎メーカーも多く加盟している。自粛ムードの中、ネット販売は有力だ」と評価した。