田植え佳境、コロナ対策も

田植えも佳境を迎えている龍郷町の秋名・幾里集落

「無事、すくすく育って」
龍郷町秋名・幾里集落

 龍郷町秋名・幾里集落の風物詩「田植え」がピークを迎えている。新型コロナウイルス感染症の影響で田植えも人が重ならないように計画的に進める中、この日も「秋幾農業創成塾」(龍宮省三塾長)のメンバーらが水田で作業。龍宮塾長は「田植えも佳境を迎え、この日曜日ぐらいで大方は終わる。怖いのは災害。今年も無事、すくすくと育ってほしい」と願いを込めた。

 好天に恵まれた10日午前9時、メンバーらは秋名小学校が管理する水田「あゆみの里」から田植えをスタートさせた。同校では毎年「田ぶくろ物語」として、全行程に児童たちが携わってきたが、今年は密接を避けるために田植えを中止。変わってメンバーらが約3・4㌃の水田にもち米を植えた。

 同地区でも今年は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、水田でも人が密集しないようにと日程をずらすなど計画的に田植え。メンバーらも「毎年、田植えには親子や家族など大勢が参加しにぎやかになるが、今年はなし。やはり寂しいね」とも話した。

 同地区で30年以上に渡って米作りに励む荒田義雄さん(81)も今年を最後に稲作からは引退予定。「もう年も年だから。最後に子どもたちとできなかったのは残念」と名残惜しんだ。

 同地区の主な栽培品種は低アミロース品種「ミルキークイーン」。龍宮塾長によると昨年は、全体で240㌃・3㌧超の米を生産。今年も順調に育成が進めば、7月下旬ごろから稲刈りの時期を迎える。