『平田市政とともに』刊行

 

名瀬、奄美市長務めた平田さん
「記録として残り後世の参考に」

名瀬市長を3期、奄美市の初代市長として1期務めた平田隆義さん(82)=同市名瀬=の在職時について、関係者らの寄稿などで綴った『平田市政とともに なきゃとまぁじんま』(同刊行委員会)がこのほど発刊された=写真=。バブル崩壊後のひっ迫した名瀬市の財政再建や、平成の市町村合併に取り組んだ平田市政を振り返り、郡都のトップとして奄美群島の振興、発展に尽力した平田さんの功績などが記されている。

平田さんは同市名瀬有良出身。県立大島高校を経て、中央大学を卒業。東京での社会人時代を経て、帰島後に印刷会社を経営。1984年から3期11年名瀬市議を務めた後、94年から2009年まで名瀬市長、奄美市長を務めた。

同書は▽経歴・受章(賞)▽寄稿▽インタビュー▽資料▽グラビア▽家族―の6章で構成。販売は行わない。

寄稿編には朝山毅市長や金子万寿夫衆院議員ら159人の寄稿文が掲載されている。インタビューは、刊行委員である花井恒三さんと日高達明さん、平田さんと妻の暉子さんらによる座談会方式で、幼少期から東京で暮らした大学時代、暉子さんとの結婚にまつわる逸話、市議として政治の世界に足を踏み入れ、市長として名瀬市、奄美市のかじ取りを担った当時を振り返る内容で、これまで知られることのなかったプライベートな部分なども本人の言葉で語られている。資料編には市長時代を年表で振り返り、当時の名瀬市、奄美市の人口や財政規模などが記されている。

グラビアは、2004年の奄美群島日本復帰50周年で天皇・皇后両陛下を出迎えた様子や公務での著名人と交流、奄美まつり、市民体育祭などを市民と一緒に楽しむ姿などが思い出のアルバムとしてまとめられている。

総務部長兼企画部長として平田市政を支えた花井さんら刊行委員は、編集後記で「平田市長とその時代の人たちがどのような知恵と力を注いだのか、後世の人たちに語り継がれることを願っている」と述べており、平田さんも「在職中に支えていただいた方々に執筆いただき感謝しています。平成時代の名瀬、奄美市がどのような時代であったか、生きた記録として残り、後世の参考になればと願っています」と話している。

同書に関する問い合わせは広報社(0997―52―1138)、刊行委員会(花井さん=090―5487―1603)へ。