「オンライン飲み会」で情報交換

多くの客の前でシマ唄が唄える日が来るのを待っている「かんもうれ」の大将・松山晃久さん

シマ唄ライブを味わいながら

 【東京】「シマ唄を聞きながら、家飲みを堪能」――。このほど台東区御徒町の「奄美ダイニングかんもうれ」を“舞台”に「奄美のシマ唄ライブ付きオンライン飲み会」が開催された。約20人が黒糖焼酎などを楽しみながら、シマ唄に酔いしれ、つかの間の「島気分」を満喫していた。

 新型コロナウイルスの感染が終息の兆しも見えず、ライブの中止や延期が相次ぐなかで、せめて自宅など離れた場所で奄美の唄を味わってもらおうと企画されたもの。ライブの発信地となった「奄美ダイニングかんもうれ」を御徒町で営む、徳之島出身の松山晃久さんは、元力士。フェースブックには「この国の邪気をはらわれれば」と四股を踏む姿や、所属していた中村部屋からいただいた反物で自家製マスクを作った様子が上がっている。参加者はインターネット環境を準備し、画面(ZooM)を通じて約20人がそろった。

 ライブは午後6時に松山さんのあいさつと徳之島についての紹介でスタート。おなじみのシマ唄のほか、ワイド節の踊り方ミニ講座、参加者によるワイド節があり同7時に中締めし、そのまま残りたい人たちによって雑談や島の情報交換などがされ8時までにぎやかに続けられた。松山さんは「普段と違う雰囲気でしたが、ライブ感は十分。奄美好きの方々に支えられ大成功でしたね」と満足そうに語った。

 主催した宮原正美さんは、7年ほど前に開催された「丸の内大学」で奄美を知り、以来何度も島を訪れるなど島に魅了され、やがて「かんもうれ」にも通うようになった。「コロナの影響で客足の遠のいた店を、何とか応援できないか」の思いで行うことに。宮原さんは「オンライン配信に不慣れで、ライブの途中で切れたりし、ご迷惑をおかけしましたが、参加者の皆さんからは喜びの声を寄せられています。今度は『かんもうれ』に集まって楽しみましょうね、と語り合っていますよ」と振り返った。一人千円の参加費用から手数料を差し引いた金額が、松山さんを応援する出演料となったようだ。

 7日から同店は当面の間休業となり、ホームページなどで開店の案内がされる予定。