コロナを知る

「本番はこれから」記念クリニック佐野院長警鐘
マスクしてれば大丈夫? 熱がなければ大丈夫? 奄美では終息した?

 記念クリニック奄美の佐野常男院長=写真=は、新型コロナウイルスについて知ってもらうため、企業・教育・行政など各方面で勉強会を行っている。同ウイルスは発症前に強い感染力を持つことから「交通を遮断するしか防ぐ方法はない」と佐野院長は語る。14日に鹿児島を含む39県で緊急事態宣言が解除されたが、「奄美での流行はこれから。それを認識した上で予防を」と警鐘を鳴らした。

■奄美では終息していない
 新型コロナウイルスはヒトに感染する7つのコロナウイルス(風邪を含む)の一種。症状は咳・発熱・筋肉痛など、風邪と同じであるため、症状だけでは見分けがつかない。よって「奄美での流行は4月17日の感染者確認をもって終わったわけではない。判明していないだけで、すでに数十人の感染者がいても全く不思議ではない」と佐野院長。

■熱がなくても、咳がなくてもコロナ
 感染者の8割に咳、7割に発熱の症状が現れる。「裏を返せば、これらの症状が出ない感染者もいる」とのこと。8割の人は風邪症状で軽症のまま治癒する。
 
■80歳以上の約6人に1人が亡くなる
 新型コロナウイルスは20代後半~中年がよくかかり、60代以上がよく亡くなるという特徴がある。特に、80歳以上の死亡率は15%にも及ぶ。

■マスクでウイルス自体は防げない
 ウイルスはマスクの目よりずっと小さいため、マスクをすることでウイルスを防げるわけではない。しかし、感染した人の飛沫が外に出ることを防ぐ効果がある。他の人に移さずに済むので、感染の連鎖を止めることができる。

■ただ触っただけではうつらない
 新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染と接触感染の二つ。接触感染の場合、ウイルスが手についただけでは感染しないが、ウイルスのついた手で目・鼻・口の粘膜を触ることで感染する。

■消毒薬は濃度が大切
 消毒薬として推奨されるのは▽78~95%のエタノール▽75~100%のイソプロパノール▽0・21%の次亜塩素酸ナトリウム▽1~7・5%のポピドンヨード―の四つ。濃度が適正でないと効果が弱まる。消毒の際は、ドアノブなど多くの人がよく触れる「高接触部位」を意識して消毒する必要がある。

■3密を避ける
 近距離での会話を避けるためには、お互いに手を伸ばして届かない距離を保つことが必要。カラオケや飲み会などの3密を避けることが大切。

 佐野院長は「奄美での流行はこれからが本番だという認識を持ってほしい。その上で、ソーシャルディスタンシング、マスク、消毒といった予防策を取ることが必要」と話した。