高校生就職慣行の意見集約へ

鹿労局、6月の求人受付前に
1人1社応募制

 高校生の就職慣行(1人1社応募制)について、鹿児島労働局では県内各高校などから意見を求めている。新型コロナウイルスの感染拡大で全国の雇用情勢は不透明さを増し、来春卒で就職を希望する高校生の就職環境も激変の可能性がある。高校生の応募(推薦)にかかわる緊急提案への意見はすでに回答が寄せられており、労働局では近日中に取りまとめる。

 県教育委員会と同局は、新規高校卒業者の就職機会を確保するとともに、就職支援・職業紹介が円滑に推進されるよう、高校、経済団体、行政で構成する県高校就職問題検討会議を設置している。今年度第1回目の開催は4月下旬に予定していたが、新型コロナウイルス感染症の関係で持ち回りでの実施となった。

 今年度の応募・推薦方法の方針を決定するにあたり、労働局では緊急提案として「1人1社制を含む就職慣行の見直し」について意見集約を図ることになった。一部では「リーマン・ショック時の就職困難事態(就職氷河期)の再来も想定される」との見方もある中、「STOP!Neo『氷河期世代』」を掲げ、内定100%を目指す具体的な方策を検討。その一つが意見集約であり、同局職業安定部訓練室は「これまでの就職慣行が果たしてきた役割の重要性を踏まえながら、生徒にとっての選択肢を広げることなどを目的に、毎年度必要な見直しを図ってゆきたい」としており、今年度の見直しは最終決定ではなく状況に応じるための第一弾との位置づけだ。

 同訓練室によると、回答用紙で求めた意見はすでに届いており、すり合わせ等を経て近日中には決定する考え。6月1日にはハローワーク(職安)による求人申込書の受付が開始されることから、それまでに方針を定める。現在の取り扱いは、採用選考開始(9月16日から)後、9月中は1人1社しか応募できず、10月以降は1人2社まで応募可能となっている。