合同防災点検

県下一斉防災点検で、参加者は河川改修現場を視察した(龍郷町中勝)

「奄美豪雨の教訓を」
大島支庁・龍郷町 2施工現場を視察

 県大島支庁は22日、2020年度県下一斉防災点検を龍郷町と合同で実施した。関連する機関や自治体職員など約50人が参加。自然災害発生の懸念から堤防強化など河川改修を行う同町内の工事現場を訪れ、進ちょくなどを確認した。

 災害発生の未然防止と避難誘導体制の整備を目的。防災施設や災害危険カ所の点検には地元選出の県議2人、田中完大島支庁長ほか、関係機関の職員が参加した。

 戸口地内の「床上浸水対策特別緊急事業」は12年度から5か年計画(約32億円)で進められ、大美川1・9㌔・戸口川1・2㌔の区間で堤防のかさ上げ、同町大勝地内の総合流域防災事業(12年度~)では大美川3㌔区間で河道拡幅を行った。中勝の現場では、参加者から進ちょく状況や完成後の防災効果などの質問に支庁職員がパネルを使い説明した。

 そのほか、浦地区の地すべり対策事業(総合流域防災事業)については、奄美豪雨(10年)を受け、10年度から施工した急斜面でのアンカー工を解説。集落が急斜面に近いため、調査による危険度を把握しながら引き続き事業を進めていく方針を示した。

 田中支庁長は奄美豪雨から10年経つ節目に触れ、「県としても必要なハード整備を講じているが、地元の行政機関、住民と連携した活動が重要。あの災害を教訓に今後も事業を展開したい」と話した。