「我が島への貢献」を

「我が島への貢献」をテーマに他分野の産業人らを招いてあった高校生との対話型・講話会=28日、徳之島高校

多分野の人材を招へい
ソクラテスミーティング 徳之島高校

 【徳之島】県立徳之島高校(立石賢二校長)の2学年(普通科2・総合学科1クラスの計84人)の授業「総合的な探究の時間」で28日、地域おこし協力隊など島内の様々な分野で活躍中の産業人らを講師に招へいして地域課題などを直接聴く「ソクラテスミーティング」があった。生徒たちは「我が島への貢献」を統一テーマに個々の探究活動の充実、高校生として地域活性化に役立つための主体的探究へのヒントを探った。

 徳之島高は2学年対象の「総合的な探究の時間」(週2時間、年間約70時間)の授業を前年度から本格的にスタート。生徒1人1人が地域に即した様々な分野から主体的に課題を設定し、その情報収集や整理・分析、成果をまとめるまでの探究活動能力の育成などが目的。同校は特に「地域課題、待機貢献」に焦点を当てている。同一環の「ソクラテスミーティング」は、各産業人らとの対話を通して勤労観・職業観・倫理観、進路意識を育むのも目的にしている。

 講師は、島内3町内で産業振興、自然環境保護など多分野で活躍中の地域おこし協力隊(5人)をはじめ、NPO法人代表、町職員など計9人。生徒たちは希望分野のラボに分かれて、対話型の講話会で交流。講師らは、徳之島を知ってもらう観光ターゲットの絞り込み、ポイ捨て原因のゴミ箱設置の少なさ、海洋資源の回復、在来希少生物の保護、島料理・特産品開発、長寿の島での早世防止、島の偉人らの観光活用、島唄文化の保存―など現場の生の声で提言。生徒らの質疑も交え約40分間交流した。

 新観光プランの探究を目指す櫻木慎也さん(普通科2年生)は感想で、「今までは観光振興の方向性が漠然としていた。講話を聴いて、方向性のポイントを絞ってプランを明確化することの大切さ分かった。知らなかった観光プランがあることも分かった」と話した。各自の探究活動の成果は12月の発表会で報告される。

 【ソクラテスミーティング】 古代ギリシャの哲学者ソクラテスが、多くの青年たちと対話を重ねたことで青年たちが多くを学び、時代を切り拓いていったことに由来する少人数・対話型の講話会。