大量の農業廃プラ類も

大量の農業用廃プラスチック類(産廃)など不法投棄現場を確認・調査する関係者=29日、徳之島町白井の森林内の里道

合同パトで確認、啓発強化へ
徳之島町白井の森林里道

 【徳之島】徳之島町当局や徳之島署など関係機関・団体の不法投棄防止合同パトロールが29日あった。情報が寄せられていた同町白井の森林内の里道(行政管理外のその他農道)沿いの一般廃棄物や産業廃棄物などの不法投棄現場を確認。それぞれの立場からの広報啓発、未然防止への監視パトなど対策の強化を確認した。

 新たに見つかった不法投棄現場は、同町道の「徳之島トンネル」の手前約300㍍地点から東の森林に伸びた里道の奥約40㍍ほど。同エリアは、国指定天然記念物のケナガネズミなども生息し、町道ではロードキル(輪禍)対策が重要課題になっているほど。日ごろは人気がなく町道からは全く目が届かない場所。

 車両1台が辛うじて通れる未舗装の里道沿いには、希少野生生物たちを育む自然環境を損なうかのように、家庭ゴミなど一般廃棄物や廃家電類、大量の農業用かん水チューブや肥料袋、農薬容器など農業用廃プラスチック類(産業廃棄物)が長さ約5㍍、幅約2㍍にわたって積み上げられていた。

 合同パトは同町(住民生活課)側が呼び掛けたもので、県(保健所)や徳之島署、JAあまみ徳之島事業本部、徳之島地域農業用廃プラスチック類適正処理推進協議会の関係者ら13人が参加。不法投棄ゴミの中から投棄者の特定につながる手掛かりがないかも探った。

 再発防止に、新田良二町民生活課長は「不法投棄防止を呼び掛けているが、またまだ浸透していない。新聞のほか町広報紙でも啓発したい。(今回は)町で撤去予定だが、その処理費用は最終的には町民の負担になってしまうことを分かって欲しい」と訴える。

 徳之島署員は「車幅から考えると、軽トラックなどで数回に分けて投棄された可能性も。同一人物の犯行か、ゴミを捨ててあるのを見て複数人が捨てたのか。抑止対策に、この付近を通行する車両への職務質問、広報・啓発を強化したい」。JA側も「農家の皆さんに農業資材などを供給しているが、廃プラ類の回収を徹底し、不法投棄などがないようより一層の啓発に努めたい」とした。