瀬戸内町で2匹確認

誘殺が確認されたミカンコミバエ(資料写真)

ミカンコミバエ誘殺
今年初めて 発生国から飛来か

 県経営技術課は24日、果樹・果菜類の害虫、ミカンコミバエの誘殺が23日に瀬戸内町加計呂麻島の武名地区(トラップ1基)で、24日には奄美大島側の同町花天地区(同)でそれぞれ雄成虫1匹の誘殺を確認したと発表した。同町に設置している調査用トラップでの誘殺は今年初めて。

 同課によると、瀬戸内町では昨年も6月~12月にかけてミカンコミバエの誘殺を確認。トラップを51基から71基増設した計122基で、発生調査を継続的に実施している。

 今回の誘殺では、国が対応マニュアルに基づき24日、同町で地元自治体を含む現地対策会議を開催。初動対応として、▽トラップ調査(発生状況調査)=武名地区はすでに増設済み(60基)、花天地区3基増設(29基)▽寄主植物調査=半径2㌔以内の寄主植物(トマトなど果菜類、スモモなどの熟果等)を採取し、幼虫の有無確認▽テックス板(誘殺板)による防除=誘殺地点から半径1㌔以内に設置。武名は26日、花天は27日に予定―を展開する。

 県内では6月に入りミカンコミバエの誘殺が相次いでいる。屋久島では1日で7匹見つかったほか、薩摩川内市の離島・下甑島でも初めて1匹が確認された。発生地の台湾、フィリピンから流れ込む気流が確認されており、門司植物防疫所の中川智秀統括植物検疫官は「気流による飛来の可能性が高いが、寄主植物調査などの結果を踏まえて総合的に判断したい」と述べるとともに、瀬戸内町での誘殺については「エリア内での確認から2世代相当期間と、かなりの期間が経過しており、発生の可能性は低い」と指摘している。