来島候補者、豪雨遊説も

豪雨の中で遊説する県知事選候補者(奄美市内、写真は一部加工しています)

離島特性、防災大切さ実感
日程変更余儀なく
県知事選

 奄美大島島内で猛烈な雨が降った1日、来島していた鹿児島県知事選の候補者は、空の便の欠航などで遊説日程の変更を余儀なくされた。「天気が交通機関に影響する離島の特性や、地域防災の大切さを実感できる機会となった」――。各陣営からそんな声も聞かれる中、遊説先との連絡や移動経路の調整に奔走した。

 7月に入り、12日の投票日まで選挙戦は折り返し地点に差し掛かった。先月25日の告示後、ほとんどの立候補者が奄美入りし、群島内での選挙活動を展開。1日午前中は4候補が奄美大島島内に滞在していた。

 同日早朝、島内は不安定な前線の影響から各地で大雨となり、奄美市名瀬は1時間に61㍉(午前8時25分まで)の非常に激しい雨に見舞われた。各候補は予期せぬ天候不良に遊説計画を変更し、終日、航空チケットの手配や応援人員の確保などに追われた。

 新人の青木隆子候補(57)は豪雨の中、沿道から支持を訴え、通行車両に手を振った。現場では顔が見えるように透明の傘を使い、雨にぬれないようマイクをビニールで覆うなど工夫を図っていた。

 30日に来島し、同日朝、徳之島入りを予定していた現職の三反園訓候補(62)は空路が欠航となり県本土に戻る日程に変更。急きょ、自民党県連会長の森山裕国対委員長が徳之島入りして対応した。

 同じく朝、鹿児島に空路で戻った新人の塩田康一候補(54)の陣営によると「雨が激しく、様子見でスタートが30分遅れた」という。奄美最後の遊説中も天候を見ながらの移動に悩まされた。

 新人の有川博幸候補(61)は当初、同日午後に県本土から与論島入り後、奄美大島入りする予定だったが、与論行き便の欠航で奄美大島直行に変更。到着後は北部遊説に切り替えた。

 各陣営関係者からは「県域が広大で、選挙活動を通じ交通手段の大切さを知った」「予想外の事態だが陣営内の連携で乗り切れた。(立候補者は)地域防災の重要性をあらためて実感していた」などと言い合っていた。