奄美市農業研修生入所式

市農業研修生として農業を学ぶ山越さん(左)と天方さん

奄美の農業支える農家に
Iターン女性2人が入所 2年間、果樹栽培など学ぶ

 奄美市農業研修生の入所式が1日、同市名瀬朝戸の農村環境改善センターであった。今年は、いずれもIターンの名瀬長浜町、山越織江さん(27)と名瀬西仲勝、天方基衣さん(27)の女性2人が入所。新たな農業担い手を目指し、今後2年間、研修生として農業を学ぶ。

 新型コロナウイルス感染防止のため、規模を縮小して実施された。同市の栄広久農林水産部長が「農業は生活に欠かせない食を支える奄美の重点産業。研修生の存在は、今後ますます重要になってくる。自ら選んだ道に向かって、大いに学び、農業の知識や栽培技術を習得してほしい」などと激励した。

 山越さんは北海道出身。東京都内で会社員勤務を経て、3年前に同市にIターンしてきた。当初から農業に興味があったと言い「しっかりと農業の技術や知識を学び、農業の楽しさを伝えられる農家を目指したい」と抱負を語った。

 天方さんは大阪市出身。祖母が与論島出身ということもあり、旅行で数回奄美大島を訪問、移住を決断した。4月に夫婦でIターン。「ずっと奄美にあこがれていた。基礎をしっかりと学び一人前の農家になれるよう頑張りたい」と話した。

 2人とも、パッションフルーツを中心とした果樹栽培を予定している。

 市農林水産課によると、2018年度までに同市が受け入れた農業研修の修了生は計37人で、うち35人が現在も農業に従事しており、就農率は94・5%となっている。昨年から研修期間を1年延長し2年間とした。研修生の多くは、果樹やカボチャなどの野菜栽培を手掛けているという。