聞く人の心の旅に、寄り添う「歌」を

コロナ禍もなんのと、熱い思いを語る徳永ゆうきさん

新曲「車輪の夢」を熱唱する徳永ゆうきさん(提供写真)

8日に新作シングル「車輪の夢」をリリース
徳永ゆうきさん

 【東京】奄美出身の祖父と両親を持つ、若手演歌歌手・徳永ゆうきさんが、新作シングル「車輪の夢」を8日にリリースする。奄美でのコンサートが中止になるなど、新型コロナウイルスの感染拡大での生活なども振り返りながら、今後の思いも語ってもらった。
 
 「スケジュールがたちまちなくなり、皆さんの前で唄えない辛さを痛感しました。奄美で4月18、19日に予定していた、西田あいさんとのジョイントコンサート中止は本当に残念でした。さらに、奄美に帰れなかったことも残念でした。実は、イベントがなくなっても、両親と姉夫婦と僕の5人で奄美へ行こうと決めていたのです。でも、感染者が増えているなかで都会から訪れるのを断念。ぎりぎりでキャンセルしました」。そう無念な面持ちで振り返る。

 一方で、NHK朝の連続テレビ小説「エール」にオーディションを受ける現役駅員・岡島敦役で出演した。指パッチンと物まねを交えて鉄道唱歌を熱唱、ひときわ異彩を放っている。

 そんな徳永さんは、7年前のある日、歌手に夢を抱き、上京するため新大阪駅のホームにいた。両親をはじめ、カラオケのマスターら彼を応援してくれた方たちが駆け付けてくれた。新幹線がホームを滑り出したとたん、さまざまな感情が涙に変わった。「15分間泣き続けた」という。だが、京都駅のホームで見知らぬ女性と目が合った瞬間「泣いている場合じゃない」と気持ちを切り替えたという。車輪に夢を載せたのだった。

「誰もが夢を追う中で、振り返る故郷や友への情景があると思います。そんな人たちの、心の旅に寄り添う歌でありたいのです」。コロナ禍での自粛生活も「動画サイトのエクササイズで体を動かし、毎日体重計に載って7㌔ぐらい減りましたよ」と胸を張りながらも「元が大きいのであまり分かりませんが…」を苦笑いで付け加えた。

 12月には、舞台「両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)」(明治座)にも出演する。「久しぶりで、どきどきしています」と芸能活動の手応えを感じ始めている徳永さん。新曲「車輪の夢」は、「ゆるやかに動き出した」の歌いだしから始まる。