「お魚ジャーキー」好評

地場魚を活用した「お魚ジャーキー」を開発・商品化した天城町地域おこし協力隊の益子正和さん=7日、同町天城

地域おこし協力隊・益子さん 地場魚を有効活用
天城町

 【徳之島】天城町は、元海洋大学技術職員の水産専門家を地域おこし協力隊に迎え、地上施設での「短期畜養」メリットの追究や、地魚をフル活用した商品開発など町内水産業の振興策を模索。特産品づくりではこのほど、カツオやマグロ類のほか嫌われ者のサメも活用した「お魚ジャーキー」を商品化。ふるさと納税返礼品にも加わり、リピーターも現れるなど好評のようだ。

 「お魚ジャーキー」を開発・商品化したのは、元東京海洋大学職員(文部技官)で、2018年4月から天城町地域おこし協力隊に参加している益子正和さん(62)=千葉県出身。立ち遅れた同町内漁業の振興模索を請われ、低利用・未利用魚のプレミア化をはじめ、京浜方面への活魚輸送、町内にない漁法の開拓・開発、新規就業者受け入れ対策、農業並みの漁業助成金、飼育可能な魚種の畜養による出荷調整―などを課題に挙げている。

 カツオやマグロ類のほかに、低利用・未利用魚の付加価値付けで着目したのが一本釣り漁のやっかいな外道、駆除事業の対象にもなってほとんどが投棄されているサメ類を含む有効活用、商品化だった。

 「最初は干物(ひもの)の冷蔵品を作ったが、町長から『常温保存できる土産品を』の声。燻(くん)製にしてより水分を抜き、日持ちのするジャーキーに切り替えた。ジャーキーなら1年は持つと思う」

 肉類の燻製は学生時代からの趣味で、いわば「得意な趣味の延長線」。醤油、みりん、唐辛子、生姜、ニンニクなど味にはうるさい。ただ「サメは白ワインを入れるとよりおいしくなるが、気合を入れ過ぎるとコスト倒れになってしまうのが悩み」。

 加工・商品化には現在、「ゆいの里あまぎ漁業集落」と連携して同加工場(平土野)を活用している。量産による特産品定着には、衛生面でも欠かせないより広くて室内乾燥ができる施設が必要とも。

 同町ふるさと納税の返礼品目(約300種)の中に加わったが、担当者は「再度求めるリピーターが増えている。黒糖焼酎にも合って、やみつきになりそうな味です」(企画財政課ふるさと創生室)。

 「お魚ジャーキー」(50㌘入)の小売価格はカツオとマグロがそれぞれ500円、サメは600円。

 問い合わせは、同町商工水産観光課(電話0997-85-5149)。