大高ビブリオバトル予選

思い思いのプレゼンをする生徒ら

身振り手振りも飛び出すブロック代表者決定戦

語彙と戦略で心をつかめ
多彩なジャンルの本登場

 奄美市名瀬の大島高校で9日、ビブリオバトル大会が開かれ、全校生徒が参加した。ビブリオバトルは、おすすめ本のプレゼンテーションをして、「もっとも読みたくなった本」を決める書評ゲーム。各ブロックの予選を突破した代表者が選ばれた。

 ビブリオバトルの正式名称は「知的書評合戦ビブリオバトル」といい、2004年に京都大学から始まった本の紹介コミュニケーションゲーム。参加者はおすすめ本を持ち寄り、決まった時間でプレゼンテーションと質疑応答を行う。その後投票でもっとも読みたくなった「チャンプ本」を決めるというもの。全国の学校や書店で導入されている。

 9日に大高で行われた予選では、生徒らは1年生から3年生まで混合のA~Xのブロックに分かれ、一人3分でおすすめ本のプレゼンテーションを競った。開始時間になると、会場に指定された各教室に、思い思いの本を手に生徒らが集合した。

 生徒らは自己紹介を終えるとバトルに突入。ベストセラー本からティーン向け小説、ノンフィクション、ビジネス本、参考書まで、多彩なジャンルの本が登場した。

 プレゼンの方法もさまざま。原稿をあらかじめ用意してきた生徒、身振り豊かに表現する生徒、意表を突いた導入部で始める生徒など、それぞれの戦略が光った。

 授業後半では、各ブロックの代表者が決定。Cブロックの代表は、「全国高校生ビブリオバトル大会」の県大会で優勝経験がある、2年生の畑友一朗さんに決定した。畑さんはサスペンス小説『青の炎』(貴志祐介さん著)を紹介。「皆さんは誰かに対して『殺す』という言葉を使ったことがありますか?」という、場を緊迫させる問いかけに始まり、「十代による殺人」という重いテーマを扱った本作のあらすじを語彙力豊かに紹介。「暗い話なのに、ページをめくる手が止まりません。何かに夢中になりたい人は、この真っ青な炎に引き込まれてみてはどうでしょうか」と締めくくった。

 迫力のプレゼンテーションに聞き入っていた生徒らからは「話し方に引き込まれて、思わず読みたくなった」との声が上がった。

 各ブロックの優勝者は後日行われる本選で、全校のチャンプを決めるバトルに臨む。畑さんは「話が途切れる箇所や冗長な部分を修正していきたい。また盛り込みたい部分もあるので、プレゼンをもっと良いものにしていきたい」と意気込みを語った。