コロナ禍・奄美のために出来ること=⑧=

東京瀬戸内会懇親会で来賓の緑健児新極真会代表を紹介する、山田幸一郎会長(円内は懇親会の出演者をねぎらう、山田幸一郎会長)

会員の安全を優先し、郷友会開催を真っ先に中止へ
バブル期は東京で大勝負。今は、「故郷は近くにありて思うもの、そして触るもの」

 奄美への思いと、登場人物を紹介しながら次の人にバトンをつなぐ「奄美のためにできること。新型コロナウイルスと私は戦う!」の第8回。埼玉奄美会会長・藤井壮望さんからの紹介で、東京瀬戸内会長・山田幸一郎さんが登場する。(東京支局・高田賢一)

 証券マンとして奮闘。東京奄美会から刺激を受ける。

 「大学受験そっちのけで(笑い)、銀座に行き、故郷との違いに圧倒されながら、東京のど真ん中で勝負したいと決心、念願の証券会社に就職しました。バブル絶頂期まで主戦場は都心部。単身赴任後、丸の内で定年退職しました。東京奄美会が英辰次郎体制の時(平成24年から26年)、多くを学びました。特に幹事長・藤井壮望氏の熱い思いに触発されましたね。具体的な実務を通し郷友会運営の在り方を教えて頂きました。会員の物心両面からのご支援で、『チーム東京瀬戸内会』は、過去最大規模の400人ほどに成長しております」

 自宅に果物を栽培、日々故郷を体感する。

 「我が家の庭には、原種の島ミカン、タンカン、ソテツ、テッポウユリなどがあります。また、30分も歩くと東京湾です。眼前の東京湾は大島海峡で、房総半島は加計呂麻島。『故郷は近くにありて思うもの』を実感してます。かつては、奄美は八丈島の近くかと質問されたものですが、現在は素晴らしい所ですね、とうらやましがられますね」

 コロナに対応。総会・懇親会を真っ先に中止の発表。

 「多くの出席者が見込まれる東京瀬戸内会は絆も深く、まさに三密。ですから、1月末に中止を決定しました。会員最優先の苦渋の決断に『早過ぎる』の声もありましたが、今は、早い結論に、評価を頂いております。コロナ後の会の在り方は、過去にとらわれずに検討したい。今回の首長らによる水際対策は、ご高齢の多い奄美にとって大事なこと。当然のご対応だった、と思います」

 世界自然遺産登録、そして未来を担う若者たちへ。

 「日本のアニメなどの文化で育った世界の38歳以下の若者世代が、ジャポニズムの再来を起こす予感がありますね。四季があり集落の隅々までインフラが完備されている唯一国・日本に世界が注目。中でも奄美は、太陽が光輝く『黄金の絨毯の島』。微力ながら、故郷の良さを発信することを考えています」 

 元証券マンは『株価は人間より賢い』、世界のお金が既に日本に向かって動き出している、と語る。自粛生活で「我、72歳にして、未だ足るを知らず」の結論に至り、コロナ後の日本の大チャンスに挑戦したいとのこと。次回は、新極真会の代表で山田さんが「奄美の誇る世界の巨人」と絶賛する、緑健児さんが登場する。

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 山田幸一郎(やまだ・こういちろう)昭和23年、瀬戸内町生まれ。昭和41年大学進学を目的に上京後、証券マンに。都心部で奮闘するほか、仙台・名古屋・大阪に単身赴任も。東京瀬戸内会会長。絵画・陶芸家の夫人・淳子さんは、高校の同級生。島料理が食卓に並ぶという。