天城町マンゴー出発式

開花期の気象影響で小玉傾向、減産見込みも「品質は良好」をアピール=21日、天城町

開花期に気象障害 小玉化・減産傾向も「品質良好」
自慢の特産果樹アピール

【徳之島】天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長・組合員数34戸)の2020年産天城町マンゴーの出発式(町共催)が21日午後、同町天城の貴島克仁さん(68)のマンゴー園であった。暖冬傾向による開花不良・遅延など気象障害もあり全般的に小玉傾向で、収穫も大幅減が見込まれるが、味覚など「品質は良好」。本格出荷へのテープカットなどで自慢の特産果樹の発進をアピールした。

 天城町のマンゴー栽培は1985年、町内の一部農家有志の自発的な試行錯誤による栽培研究でスタート。その後、町当局では高収益型の新規品目に位置づけ、耐風ビニールハウスなど生産基盤施設導入事業でてこ入れして産地化を後押し。県内の先駆け産地となり約35年の年輪を重ねた。

 町全体の19年度生産実績は生産者数約50戸、面積5・5㌶、生産量30・5㌧、生産額9150万円。(うち熱帯果樹生産組合は34戸、3・9㌶、24・5㌧、7350万円)。品種は全て「アーウィン」種(別名・アップルマンゴー)。

 町企画課ふるさと創生室によると、同町ゆたかなふるさと寄附金(ふるさと納税)に対する返礼品目としての19年度中の引き合いは計501件(寄付額626万円)、件数は18年度比3倍に急増した。

 出発式には生産組合員や関係機関・団体の関係者らが参加した。作山組合長(57)は「今年は暖冬(開花不良)のせいで玉数も少ないが、味・品質は良好」とアピール。森田弘光町長は「本町は県内の先駆的産地。天候不良の悪条件が重なったが全国に売り出そう。収量格差縮小に〝天城町のマンゴーをもう一度リセットする気持ち〟で作っていこう」と栽培技術の底上げ平準化にも期待。

 県徳之島事務所農業普及課の坂上浩海課長も「マンゴーは徳之島を代表する高級品目。今年は開花時期(1月)の低温が十分ではなく開花不良(遅延)が影響。安定的に収穫するには気象に負けないマンゴーづくりの技術が必要。『収入保険』にも加入。農家の所得と知名度をアップして産地化に」とエールを送った。

 テープカットに続き、本土発送のマンゴーを拍手で見送った。収穫・出荷の終了は、玉伸び(肥大化)の遅れもあり、例年より約20日遅い8月下旬を見込んでいる(作山組合長)。

 天城町熱帯果樹生産組合(同町天城、電話0997‐85‐4616)