与論感染6人増え計42人

18日会食参加者ら 新たなクラスターの疑い
新型コロナ

 県は28日、与論町で新型コロナウイルスの感染者が新たに6人確認されたと発表した。10歳未満から60代の男女で、同町の感染者は計42人となった。新たに感染が確認されたうち5人は26日に感染が確認された同町の30代女性の知人で、7月18日に同町内で会食を行っていた。県は「新たなクラスター(感染者集団)の可能性の疑いがある」との認識を示した。また、鹿児島市は28日、新型コロナに感染し入院していた同市の90代女性が死亡したと公表した。県内で感染者が死亡したのは初めて。重症者は3人となっている。

 18日の会食には、5人を含む計18人が参加していた。26日に感染が確認された30代女性は、同町で最初に感染が確認された20代女性看護師の知人。

 県はこれまで、女性看護師らが参加した7月15日の会食(知人4人と店員1人が感染)と、この看護師が勤務していた与論徳洲会病院(職員や入院患者ら10人感染)について、「クラスターが発生した可能性が非常に高い」として、厚生労働省のクラスター対策班の派遣を要請、現在調査を進めている。今回、5人の感染が確認された18日の会食についても「クラスターの可能性が強い」との認識を示した。同町でクラスターの可能性が指摘される3例目で、県は「クラスターの定義に該当する。それぞれをクラスターとするか、(与論町)全体を一つと判断するか、もう少し時間が必要」との認識を示した。

 このほか、これまでに感染が確認された人の中に、ほかの感染者との接点が分かっていない人も複数確認されており、県は行動履歴や感染経路などを引き続き調べている。

 一方、県はこれまでに同町で実施したPCR検査数などは明らかにしておらず、「どれくらい(PCR検査が必要な人が)残っているのか示すことはできない」としている。

 県内でPCR検査を受けた人は26日現在、9513人。同町で感染者が確認された以降では、22日198人、23日237人、24日22人、25日414人、26日106人となっている。市町村別の検査数は発表していないため、同町の検査数は分かっていない。

 県全体の感染者数は28日現在、計229人。27日現在、医療機関に55人が入院、宿泊施設への入所者は9人となっている。