フリースペース「小さな保健室」開室

奄美市名瀬の新川ふれあい館で開催したフリースペース「小さな保健室」

「学校と家」だけじゃない
子ども、親の居場所づくり

 奄美地区有志が企画するフリースペース「小さな保健室」(林花穂代表)が8月31日、同市名瀬の新川ふれあい館で開室した。学校に行きづらさや悩みを感じている子どもやその保護者を対象。この日は親子連れや企画に興味を示した地域住民などが数人訪れた。子どもは遊びなどをして自由に過ごし、保護者はSSW(スクールソーシャルワーカー)や元不登校当事者に相談、保護者同士で意見交換などをしていた。

 同企画はNPO法人フリースクール全国ネットワークなど4団体が主催する「学校ムリでもここあるよ」キャンペーンに協賛し開催。奄美地区地域支え合い協議体(重井英二代表)の協力で、新川ふれあい館の会議室を借りた。

 訪れた保護者や地域住民は、子育てや教育、学校に行けなくなった時の居場所づくりの必要性などについて対話をした。その中で「家にいるとついプレッシャーをかけてしまうし、子どもは無言でも親の期待を感じ取る」「子どもがつまずいたときにエネルギーを充電できる場所が必要」「子どもが学校に行けなくなったとき、経済的な負担が気がかり」などの意見が交わされていた。

 元不登校当事者で有志メンバーの林穂奈美さん(21)は「中学で学校に行けなくなったとき、昼夜逆転の生活になった。家族と意見がすれ違うこともあり、居場所があればと感じた。今回の開催が居場所づくりの第一歩になれば」と自身の体験を交え話した。

 同企画は1日までの2日間、校区未指定、無料で実施。時間は午前9時から午後3時まで。外出が難しい場合はメール相談も受け付けている。amami.ippo@gmail.com