喜界白ゴマ、生産量ダウン

出荷に向けゴマ穂を並べる生産者(喜界町荒木、9月10日撮影)

塩害で6割減収 今期見込み約39㌧

 喜界島の主要農産物「白ゴマ」が収穫シーズンを迎えているが、今期は塩害の影響から生産量は当初見込み(約90㌧)から6割減の約39㌧となることが10日までに分かった。喜界町農業振興課によると8月末以降、台風9・10号が連続して接近したことによる塩害が原因という。

 同島は白ゴマの国内最大の産地。栽培面積は約150㌶。収穫時期は例年7~9月。生産作業がピークを迎えると、島内の各集落や道路沿いでは束ねたゴマ穂が並ぶ「セサミストリート」が見られる。

 収穫したゴマは喜界島ブランドとして、ほとんどが島外出荷される。生産関係者によると今年は晴天が続き、生長は概ね順調だったという。

 同課は「本格的な収穫シーズンに入ったと思ったら9号で塩害が発生。10号でその被害が拡大した。コロナ禍による流通の影響はなく、生産者は出荷準備を進めていただけに関係者はみなショックを受けている」。生産額は約1億2400万円を見込み、昨年は梅雨の長雨、一昨年は台風と3期連続での収穫減に力を落とす。

 15年以上ゴマを栽培しているという同町荒木の農業・西寿和=としかず=さん(61)は今期500㌔の収穫を見込む。「台風には参った。なんとか量は一定数まとまりそうなので、10月まで忙しくなる」と話した。