9月定例県議会開会

知事給料3割減額を提案
塩田知事所信表明 「県民考え受止め県政反映」

 9月定例県議会は14日開会、会期は10月7日までの24日間。塩田康一知事が所信表明・提案理由説明を行い、新型コロナウイルス感染症の影響で「多くの県民が苦しんでいる中、痛みを分かち合い、少しでも役に立てれば」との思いから、知事給料を1年間、3割減額する条例案を提案していることを報告。知事選で掲げたマニフェスト実現に当たっては、県民一人ひとりの考えをしっかり受け止めながら、県民の期待に添えるよう、県民が主役の県民の目線に立った、県民の声がしっかりと反映される県政を担うとの決意を示した。

 新型コロナに関しては「県民の命と暮らしを守ることを最優先とした感染防止対策を実施するとともに、同感染症の影響を克服する強力な産業支援を講じてまいりたい」と表明。具体的には、▽感染症対策=徹底した検査体制・医療提供体制の整備、現場の最前線に立つ医療機関等における医療資源の備蓄体制、離島における水際対策や医療提供体制の整備▽「新しい生活様式」=徹底により、県民の生命と健康を守る▽多様な働き方改革=一層の進展などを踏まえ、本県の特性を生かした地方への移住と業務移転の推進▽産業支援策=事業者に対する資金繰り支援などの新型コロナ対策を最優先した財政支援措置や、地域経済団体と連携した経営支援―などを挙げた。

 世界自然遺産登録を目指す奄美の観光面に関しては、観光客を群島全体に波及させるための交通アクセスの充実、自然環境を保全しつつ観光客の満足度の向上を図るためのエコツアーガイドの養成、体験プログラムを活用したモノ消費からコト消費に変わりつつあるインバウンド観光の活性化などに取り組むとした。

 奄美・離島の振興では、「国や市町村等と連携し、航路・航空路の運賃軽減や輸送コスト支援など、条件不利性の改善に取り組むとともに、定住促進や観光振興などを図り、地域の活性化を着実に進めていく」と述べた。

 ミカンコミバエについての言及も。6月9日に屋久島町で誘殺が確認されて以降、今月7日までに18市町村で合計98匹の誘殺が確認されている。知事は「誘殺が確認された地域においては、国のマニュアルに基づき、発生調査や防除対策に速やかに取り組んでおり、現在、県内におけるミカンコミバエの定着は確認されていない」とし、今後ともミカンコミバエなど重要病害虫の侵入警戒・侵入した場合のまん延防止に努めていくとした。

 提案された補正予算の総額は一般会計で233億9300万円。県民の安心・安全と社会経済活動の両立を推進するため、基幹産業の農林水産業、観光業の需要喚起に対する支援や製造業の新製品開発に対する支援等に必要な経費を計上している。予算外議案は条例案4件、その他8件。

 17、18日は代表質問、24~25日、28~29日には一般質問がある。