健康かごしま21地域推進協

健康づくりなどについて意見交換した健康かごしま21地域推進協議会

65歳未満男性死亡割合16・26%
県、全国平均上回る
朝食摂取の習慣化など推進へ

 県大島支庁(名瀬保健所)は17日、同庁会議室で2020年度健康かごしま21地域推進協議会(議長=松岡洋一郎・県大島支庁保健福祉環境部長)を開いた。構成する名瀬保健所管内の自治体や保健医療機関などの代表らが出席、県が推進する健康づくりに向けた取り組み状況や地域の課題などについて意見交換した。

 県は、県民が健康で長生きできる地域社会づくりを掲げた10か年計画「健康かごしま21」を12年度に策定。13年度から、食生活や運動、飲酒、喫煙などの生活習慣の見直しによる健康づくりの推進に取り組んでいる。

 この日は同保健所管内(奄美大島、喜界島)6市町村の、自治体や医療、福祉、教育、民間企業など18団体の代表が出席。19年度の取り組みとして生活習慣に関する実態調査の結果を報告。20年度の重点テーマとして「男性の早世予防」「脳卒中予防」「がん予防」などの取り組みが示された。

 実態調査では管内の65歳未満男性の死亡割合が国、県の約12%を上回る16・26%と高いことや20~40歳の男女で朝食を食べない人の割合が高く、男性は壮年期(40~65歳)でも朝食を抜く割合が3割に上っているなどの報告があり、朝食摂取の習慣化などの課題が指摘された。

 こうしたなか、民間企業では出勤時に社員全員に朝食摂取の有無を確認するなどの取り組みを行うことで、ほとんどの社員が朝食を取るようになったことなどが報告された。また、出席者からは、「深酒をした翌日に朝食を取らないケースが多い」など、飲酒と食生活との関連性についての指摘もあった。

 このほか、宇検村ではダイエットに取り組んだ村民に対し、1㌔千円で脂肪を買い取る「ヘルシーチャレンジ」に取り組んでいることなども報告された。

 20年度取り組みでは、65歳未満の男性死亡率が高いことを受け、男性の早世予防策として「働き盛り世代の健康意識向上」を重点取り組みに掲げ、具体策として▽がん検診の受診推奨▽治療と仕事の両立支援▽職域と協同した情報発信やストレスチェックの普及▽朝食摂取の習慣化―などを上げている。