県議会代表質問

PCR「二次医療圏で複数確保」
与論クラスター 厚労省対策班が指導・助言

 9月定例県議会は18日、引き続き代表質問があり、県民連合の柳誠子議員=鹿児島市・鹿児島郡区=、公明党の森昭男議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症対策では、PCR検査の検体採取を行える医療機関は現在161カ所あり、奄美医療圏を含む全ての二次医療圏に複数確保されているとの当局答弁があった。

 同感染症の今後の重要課題として、地頭所恵くらし保健福祉部長は▽感染防止対策として徹底した検査体制および医療提供体制の整備▽現場の最前線に立つ医療機関等に医療資源の備蓄体制▽離島における水際対策や医療提供体制の整備―などを列挙。一日当たり207人の検査が可能となっているPCR検査については「全ての医療圏において検体を検査した当日、遅くとも翌日までに検査結果が判明する体制が整っている」と述べた。

 また、検査当日に結果が判明する抗原検査について、地頭所部長は「現在97医療機関において実施可能となった」と報告し、今後の感染拡大に備えて引き続き検査体制の拡充に努めるとした。

 厚生労働省が9月4日付でインフルエンザ流行に備えた体制整備についてまとめており、その中では「発熱患者等が帰国者・接触者相談センター(保健所)を介することなく、かかりつけ医など地域で身近な医療機関等を相談受診し、必要に応じて検査が受けられる体制を整備すること」としている。これを受けて地頭所部長は「保健所、地域の医療機関等の連携を図りながらインフルエンザの流行に備えた体制整備に取り組む」と述べた。県民への周知では、発熱患者等の医療機関への相談および受診方法を県ホームページなど用いて広く周知し、地域の医療提供体制に支障が生じないよう適切に対処していく。

 与論島におけるクラスター(感染者集団)対応では、集団発生を受けて県が7月24日に厚生労働省にクラスター対策班の派遣を要請したが、同班の取り組み状況が説明された。地頭所部長は「25日~30日までの6日間、(厚労省クラスター対策班の)担当医師が現地および徳之島保健所で感染状況や感染の広がり等について調査を実施した」と述べ、そのうえで感染経路の推定や感染防止対策の確認を行い、町の対策本部等で「必要な対応について関係機関に指導・助言をいただいた」と報告。さらに県職員で構成する健康危機管理支援チームと、県の要請により現地に派遣された感染症の専門医、認定看護師、クラスター対策班が感染状況の確認および院内感染防止対策の指導を行ったとした。

 新型コロナの県内経済への影響では、県内企業の業種別倒産の現状と解雇・雇い止めの現状が取り上げられた。五田嘉博商工労働水産部長は答弁で、「民間の信用調査機関の調査によると、県内企業における負債額1千万円以上の倒産のうち、新型コロナに関連したものはサービス業1件、卸売業同の合計2件発生している」と報告。解雇や雇い止めは9月11日時点(鹿児島労働局まとめ)で見込みを含め491人に上っているとし、県では制度融資による資金繰り支援や売上高が大きく減少した事業者に対する事業継続資金の支給などに取り組んでいるとした。