太鼓の波動に祈りを込めて

奄美に来るときには毎回太鼓を伴って。たたくことで、大地の言葉を聞き、全てにありがとうと、感謝する

インディアンドラムとインディアンフルート

祈り人であり、ミュージシャン
池田優子さん 活動の場広げる

 ▼奄美との再会▲
 
 奄美2世の池田優子さん(51)。

 徳之島出身の父と宇検村出身の母の間に横浜で生まれた。子どもの頃夏休みのたびに両親に連れられて、徳之島と宇検村に帰省していた。20歳、従兄弟の結婚式で来島以来、個人的に来ることはなく、島とのつながりは薄れかけていた。 

 それから30年、姉の夫からSNSに「奄美大好きな人のコミュニティー」があることを教えてもらったことがきっかけで、再び奄美と向き合った。奄美のいいところをたくさん教えてもらった。

 もう一度奄美へ行こう、昨年の11月に、30年ぶりに奄美へ。自らもSNSに投稿し、知り合いが増え、奄美にますますはまっていった。先祖の墓に手を合わせることで自分の中の気持ちが変わっていくのを感じた。帰りの飛行機では、心臓が引っ張り出されてしまうくらいの気持ちになり、涙があふれてとまらなかった。そういう衝撃の再会だった。

 シマ唄を口ずさむ父と、島料理の上手な母の中で育ち、知らぬ間に奄美への愛着が育っていたことに気がついた。それからは毎月のように奄美を訪れ、奄美の各地を回り、太鼓をたたきながら、海に森に、川に、大地に祈りを捧げた。たたき始めは硬い音だった太鼓の音が、次第に響き始め回りと共鳴していくのが伝わってくるという。
 
 ▼インディアンドラムとの出会い▲
 
 7年前にヒーラーの諏訪瞳さんに出会い、太鼓の波動を使ってエネルギーを整えていく、祈りのツールとしてのインディアンドラムと出会った。この頃から日常生活の中で自然界から受けていたインスピレーションを確かな物として受け取るようになったという。

 「子どもの頃に感じていた、懐かしいという思いが、30年経って鮮明になった気がします。奄美にいると、日常忘れがちな『ありがとう』が見つけられます。先祖が愛してきた島だから自然のままで残していきたい。訪れるたびに、先祖を強く感じ、見えない力の導きを感じます」

 二台目の太鼓を手にしたときに、楽器としての太鼓の存在に気がつき、エルクと言うチームを作り、6人で音楽活動を始めた。インディアン部族との人達とのジョイントなど、活動の場を広げている。
「太鼓の音は奄美になじむと思う。シマ唄や三味線にも。シマの音楽家らとも交流しながら活動していきたい」と微笑んだ。