喜界町長選 一騎打ちで火ぶた

 任期満了に伴う喜界町長選挙は22日告示され、5日間の戦いの火ぶたが切られた。いずれも無所属新人で元鹿児島県庁職員の米澤守光氏(71)、元副町長の隈崎悦男氏(66)=届け出順=が立候補、新人同士の一騎打ちとなった。出陣式で米澤氏は町政刷新を図り住民重視の施策推進をアピールしたのに対し、隈崎氏は現町政の継続による農業を中心とした町づくりを強調。両候補は第一声に熱を込め、厚い支持を求めた。なお同日は町議会議員選挙も告示。定数12に14人が届け出し、こちらも5日間の選挙戦に突入した。

県庁行政経験とパイプ訴え

米澤守光候補

 【米澤氏陣営】米澤候補は、同町湾の選挙事務所前で午前9時半から出陣式を行い、各集落などから集まった支持者を前に「県庁での行政経験と、県職員とのパイプを生かした島づくりをしたい」と町政の刷新を訴えた。

 出陣式には支援する現職町議6人も出席。まず向井忠道後援会長が「最後まで応援をよろしくお願いします」と支援を求めたのに続き、県薬剤師会の上野泰弘会長がマイクを握り、「県職員として保健医療、介護福祉など健康に関わる政策に精通してきた。新型コロナへの対策も一番わかっている。民間企業にも勤務し業績を上げられた。町政にも必ず生かすことができる。米澤さんならもっと魅力ある町を皆さんと一緒に作ることができると信じている」と激励した。

 最後に登壇した米澤候補は「島を変えようという思いを多くの人と共有できた。将来を見据え、新しいビジョンを立て、着実に安定した町政を進めていきたい」などと訴え、▽住民対話▽新型コロナ対策▽子育て支援▽教育環境の充実▽観光振興―などの政策を掲げ、「島民の命と生活を絶対に守る」など声を張り上げた。

 支持者らと握手を交わした後、選挙カーに乗り込み島内一円の街宣活動に出発した。

川島町政町づくり引き継ぐ

隈崎悦男候補

 【隈崎氏陣営】隈崎候補は、赤連集落の選挙事務所前で午前9時から出陣式。集まった支持者を前に、「川島町政から引き継いだ様々な課題の解消に取り組み、農業を中心にした産業振興などで町の発展に尽くしたい」と述べ、支持を訴えた。

 川島健勇町長は、後継者に位置づける隈崎候補に「安心して(町政を)任せられる候補」。外内千里後援会長は同候補の行政経験を評価し、「将来の喜界島を支える人物と確信している」とマイクを握りあいさつ。現政権の継承路線による手腕に期待感を示した。

 拍手の中、登壇した隈崎候補は町長期計画の推進に触れ、「住民に必要な事業や施策に予算づけしたい」と意欲。人口減少に歯止めを掛ける交流・定住人口増や医療体制の充実、喜界高校存続、子育て支援を重視し、「10年後を見据えた町づくり」を決意した。

 厳泰弘選対本部長は「隣近所、友人、知人による票を積み上げ、必ず勝利したい」と支持拡大を呼び掛け。町議選に立候補した現職町議1人、新人候補1人も駆けつける中、最後は全員でガンバロー三唱して気勢を上げた。

 式後、集まった支援者に見送られながら隈崎候補は選挙カーに乗り込み、島内でのあいさつ回りに出発した。