生徒が主体で案内

教員や行政職員をガイドする生徒ら

まち歩きガイド参加者(共に提供写真)

「まち歩きガイド」で瀬戸内の魅力伝える
古仁屋高・新赴任の教員対象に

 瀬戸内町の古仁屋高校(重吉和久校長、生徒98人)の生徒2人はこのほど、4月に赴任した教員を対象にまち歩きガイドを行った。この日は同校の教員7人に加え、同町や奄美市職員、田中完大島支庁長も参加した(計14人)。企画内容は認定エコツアーガイドの供利義也=ともりよしや=さん(37)の指導の元、生徒自ら考案。高校生の視点で食事スポットを中心に町内の魅力を紹介した。

 同校は近年、県の地域創生人材育成プロジェクトなどを利用し文化財や文化を取り入れたガイドやキャリアノート作成をしてきた。今年度は新型コロナウイルスの影響もあり、大掛かりな活動ができなかったため同企画を立ち上げたという。

 当日は▽高知山展望▽古仁屋の市街地▽海の駅▽地元でおすすめの飲食店―などを巡った。古仁屋の市街地やリアス式海岸が見渡せる高知山展望台では、旧陸軍や海軍が町内に造った軍事施設や戦跡、同校が旧陸軍の要塞司令部であったことを説明。昼食はアオサやトビンニャなど、地元の食材を使った料理に舌鼓を打った。また、「インスタ映え」する撮影スポットや、せとうち海の駅に設置されている久慈白糖工場の模型紹介などもあり、盛りだくさんな内容となった。

 移動のバス車内では町教育委員会発行の『せとうち 子ども検定』から引用した同町にまつわるクイズも出題され、参加者は楽しみながら理解を深めたという。

 供利さんは「流れや注意事項などを指導し、あとは生徒の主体性を尊重した。かなり完成度の高いガイドだった」と評価した。

 ガイドを担当した安江海都=かいと=さん(3年)と十倉弘介さん(3年)は「高校生の視点で瀬戸内町の魅力を紹介したいと思った。ガイド内容を考えるなかで、改めてまちの魅力に目を向けることができた」「初めてのことだったので、表現の方法に頭を悩ませた。参加者から『楽しかった』の声が聞けてほっとしている。将来は地元の魅力を発信して地域に貢献する仕事に就きたい」とそれぞれ語った。