命の大切さ伝える課外授業開催

泰明小の講堂での課外授業の様子。立っているのが、2代目の泉二啓太さん。中央は指笛を披露する泉二弘明社長

オンラインを通じて照れながらも「六調」に挑む児童たち

家庭科室でハンカチ染めに挑む児童たち

奄美とのオンライン交流も
大島紬専門店「銀座もとじ」

 【東京】銀座で大島紬の専門店を展開する「銀座もとじ」(泉二(もとじ)弘明社長)が、23日に中央区立泰明小学校5年生(参加57人)を対象に「銀座の柳染め課外授業」を実施した。また、龍郷町立大勝小学校5年生(同24人)とのオンラインでの交流も行われ、海を超えた情報交換をしていた。

 「泥染めを通じて、子どもたちに命の尊さを伝える」を目的に毎年行われてきた「銀座の柳染め課外授業」は、23回目。新型コロナウイルスの影響で、開催が危ぶまれたものの、学校側の強い要望などで今年も8月26日の「柳の剪定」。9月11日の「銀座と柳にまつわる歴史について」と、2度の授業を経ての仕上げとなる「第3回目・柳の染め体験(ハンカチと正絹白生地)」を行ったもの。あいにくの天候のため、児童らは講堂と家庭科室に分かれて反物の絵付けとハンカチの染めに臨んだ。大勝小児童が集めた奄美の泥と、泰明小の柳を元にした化学反応に奮闘していた。

 コロナ禍を考慮して、これまでより児童の間隔をあけ、さらに組ごとに進行するなど、安全を最優先しての開催となった。「学校行事が中止になるなか、これだけはやってほしいとの声に応えました」とは、司会を務めた2代目の泉二啓太さん。自らも泰明小学校の卒業生とあって、安どの表情で振り返った。

 また、弘明社長も「今の子どもたちには、都会に物おじすることなく、育ち、世界に羽ばたいてほしいですね」。出身校でもある大勝小学校とのオンラインを、目を細めて見守っていた。オンラインでは「奄美の味や自慢は何?」「自然がたくさんあり、鶏飯、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツがおいしい」。「学校周辺の素敵な場所は?」「銀座の柳通りです」などとやり取りされ、曇天を晴らす笑顔が画面に広がっていた。最後は、弘明社長の提案で「初の六調」に挑戦。照れながらも踊り合い、1200㌔を超えた友情が交わされていた。