県議会一般質問

旅行商品割引助成、奄美上乗せ
県外からの修学旅行キャンセル303校

9月定例県議会は25日、引き続き一般質問があり、長田康秀議員=自民、鹿児島市・鹿児島郡区=、福司山宜介議員=県民連合、鹿児島市・鹿児島郡区=、宝来良治議員=自民、鹿児島市・鹿児島郡区=、藤崎剛議員=自民、鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、国体の延期など観光客の減少に苦しむ観光事業者を支援するため、旅行商品の割引助成や、事業者が自ら行う誘客の取り組みへの助成など実施する観光かごしま回復事業(9月補正額7億7100万円)が取り上げられた。同事業の旅行商品割引助成では奄美群島の場合、移動経費を考慮し1万円の上乗せが報告された。

県内外の旅行会社と連携し旅行需要の喚起を図ろうと、事業に取り組むもの。木場信人PR・観光戦略部長は「旅行会社に対してより効果的な旅行商品の造成が図られるよう、説明会開催やマニュアル作成によって丁寧な説明に努める」と答弁。旅行商品の割引助成は、旅行代金の5割、最大1万円の助成を行うもので、離島を対象とした商品については移動経費を考慮し上乗せされるが、奄美群島以外の離島は5千円の上乗せ額となる。

県外からの修学旅行への影響は、鹿児島県教育旅行受入協議会会員の22宿泊施設・団体への調査結果が報告された。それによると回答があった15施設の6月以降9月16日までの県外からの修学旅行実施状況は4校のみ。6月以降のキャンセルは小学校86校、中学校136校、高校81校の計303校に上る。

コロナ禍で県外からの修学旅行のキャンセルが相次いでいる中、県は対策として県内の学校の地元での修学旅行を促進しようと、9月補正で学校における修学旅行対策(予算額1億4900万円)を計上している。県内で修学旅行をする公立・私立学校に対し、コロナ防止対策として必要な貸切バスの増便にかかわる経費や、修学旅行の行先を県内に変更することに伴う企画料について補助するもの。修学旅行の貸切バス支援は国の「GoToトラベル」の割引対象にもなっていることから、県事業の支援額は、国事業の割引額を除く費用に対し、県立学校に対してはその全額、市町村立学校に対してはその2分の1としている。

東條広光教育長は「県教委では市町村教委に対し、旅行先の変更を検討する場合に、県内も検討の対象とするよう呼び掛けている」と答弁。これまでに小中学校151校、高校2校が県内に変更したと報告した。

コロナ禍における中小企業支援では、個人・中小企業等への金融支援で緊急経済対策資金が取り上げられた。五田嘉博・商工労働水産部長の答弁によると、9月11日現在で約1万1700件の申込があり、そのうち約9200件・1332億円が保証承諾された。業種別の申込は小売業が3400件で最も多く、次いで建設業2500件余り、サービス業2400件余り。このうち保証承諾されたものは、小売業が2700件・287億円、建設業約2千件・342億円、サービス業1900件・241億円となっている。