要約筆記奉仕員養成講座が開講

要約筆記奉仕員養成講座開講式があり、22人の学びがスタートした

 

「心に寄り添える支援者に」
奄美初開催、22人が受講
市社協

 

 奄美市社会福祉協議会は26日、難聴者や聴覚障がい者に話の内容をその場で要約して文字で伝える奉仕員を育てる「要約筆記奉仕員養成講座」を同会会議室で開講した。奄美大島内22人が受講。受講者らは3月27日までの約半年間、難聴者のコミュニケーションを手助けするための基礎知識や技術を学ぶ。

 講座は奄美大島初開催で全13回。月2回のペースで、要約筆記や聴覚障がいの基礎知識を学ぶ座学にくわえ、実技・実習を通して技能を身に付けていく。

 要約筆記は、難聴の人などのために講義などの内容をその場で要約してノートなどに手書きし、その内容を文字で伝える情報保障手段の一つ。県や市町村の各自治体には2013年施行の「障害者総合支援法」で意思疎通支援者の派遣や養成が義務づけられたが、奉仕員などの数自体はまだまだ不足し不十分な状況が続いている。

 講師は、要約筆記者でNPO法人全国要約筆記問題研究会県支部長などを務める池端てるみさん。池端さんは「この手の支援はニーズが見えてこないと厳しい状況が続く。待ちに待った開催。(受講者には)真摯に取り組み頑張ってほしい」と期待を込めた。

 同社協・福山敏裕会長は開講式のあいさつで「難聴者や中途失聴者は人がたくさんいる場所で聴き取りができず、悲しい体験をしてきた。(受講者は)大変頼もしい存在になることを確信しており、心に寄り添える支援者となってほしい」と激励。オリエンテーション後は早速、基礎知識を学ぶ講座に入った。

 受講者の前田みさきさん(43)はあまみ難聴者・中途失聴者協会会員として3年間携わり受講を決意。「来年講座を終えれば実際に出ていくことになる。仲間が20人ほど増えるのでみんなで協力し成長していきたい」と意欲を示した。