新型コロナ 3町対策連絡会議を設置

天城町での感染者発生を受けてあった徳之島3町新型コロナ感染症対策連絡会議の設立会=28日、徳之島町

「徳之島は同地域」
県公表の迅速化要望へ

【徳之島】徳之島初の新型コロナウイルス感染者の発生を受けて、徳之島3町長ら各町当局は28日、徳之島3町新型コロナウイルス感染症対策連絡会議(会長・高岡秀規徳之島町長)を設置。協議では、PCR検査結果の発表に1日以上のタイムラグを生じ、現地対策の着手や情報提供に影響。唾液の採取で短時間に把握できる「TRC」検査の公的位置付けも含め、県サイドの情報提供の迅速化も求めることで一致した。

 天城町での1人目の感染判定(25日)を受けて翌26日午前、3町はそれぞれに同感染症対策本部(本部長・各町長)を設置して取り組んでいる。今回の3町連絡会議は各町長が発起人に「徳之島3町が一つの地域」として同感染症に関する情報共有や拡大防止対策などを進めるのが目的。発足会は、3町長ら当局が出席(天城町はオンライン参加)し徳之島町役場であった。

 森田弘光天城町長は冒頭「島内でもいつかは出ると思っていた感染者が天城町で発生したことにお詫びしたい。これ以上感染者を出さないようご協力を」と要請。高岡会長は「天城町は大変な思いをされており、3町が一丸となって取り組もう」と強調した。

 天城町の祷清次郎総務課長が、鹿児島市から帰った町職員男性の発熱受診から25日のPCR陽性判定、2次感染防止のため同夜のうちの町独自の町内緊急放送(町長)、27日の2人目判定―に至った経緯、感染拡大防止対策など現状を報告した。

 協議では、県(保健所)を通じ鹿児島市に検体を送り判定結果の発表に「丸1日以上のタイムラグ」を生じているPCR検査の現状を指摘。天城町が県の公表(会見)を待たずに即座に発表したのは「危機管理の面から素晴らしい判断だった」と評価(大久保明伊仙町長)。PCR検査のほかに、保健所を通さなくても1回3千円程度で自主依頼できるという「TRC検査」助成制度の検討などを求める意見でも一致した。

 ほか、SNSなどを通じた誹謗(ひぼう)中傷や誤った情報の拡散を防ぐためにも、保健所など県当局の情報提供の迅速化も今後要望。また、3町対策連絡会議と県当局の連携強化を図るため、県徳之島事務所長らの参加も要請していくことも確認した。