与論で十五夜踊り

与論で十五夜踊り

「獅子舞い」を奉納する二番組=与論町地主神社=

コロナ収束願う
感染拡大防止へ 規模縮小して開催

 【沖永良部】旧暦8月15日にあたる1日、国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が与論町地主神社境内で奉納された。7月に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、規模を縮小して実施。参加者は、祭りの開催を喜びながら、新型コロナの収束を願った。

 毎年旧暦の3、8、10月の15日に奉納される。二つの組が交互に踊るのが特徴。旧暦8月の祭りは、疫病や害虫、干ばつ、暴風などから島を守るために行われてきたという。旧暦3月は五穀豊穣や無事安穏、旧暦10月は年中守護の謝恩の意味がある。

 今回は、新型コロナ感染拡大防止のため、関係者のみに参加を呼び掛け、演目も減らした。

 二番組と一番組が合同で奉納する雨乞いの「雨賜り(あみたぼうり)」を皮切りに、「一度いふて」「三者囃子(さんばすう)」「獅子舞い」「六十節」の5演目を披露。無病息災を願う綱引きも行われた。 

 3年前に二番組の踊り子を引退した徳田泰三さん(78)は「どんなに大変な年でも踊りを奉納し続けてきた。その思いは若い踊り子たちも同じだろう」と話し、祭りを見守った。

 山元宗町長は「開催できてうれしい。島民が一つになって新型コロナという困難を乗り越えていきたい」と語った。