産学協同でパイロット育成

鹿大、JAL、JACは産学共同でパイロット育成に取り組む協定を交わした

鹿大、JAL、JACが連携協定
「地域に貢献する人材育てる」

【鹿児島】鹿児島大学、日本航空、日本エアコミューターはパイロット人材創出のための連携協定を締結。5日は鹿児島市の同大稲盛記念館で締結式があった。

JALのグループ企業であるJACは、鹿児島空港と奄美群島各島を結ぶ路線などを運航している。航空業界の重要な担い手であるパイロットの育成には資格取得に高い費用と時間を要する。このため3者はパイロット人材の育成に産学共同で取り組む協定を結んだ。

同大の学生でパイロット志望の応募者を募り、8人を選抜。パイロット志望者が約2週間、飛行操作体験などができるJALグループの「SKY CAMP」に参加し、より高い可能性を秘めた学生2人を同大が推薦する。2人は大学卒業後、JACの条件付内定者として崇城大学(熊本)に入学。約2年間、パイロットの技能資格などの取得に向けて訓練する。3者はこの間にかかる学費などを支援する。

JACの越智健一郎社長は「パイロットの安定供給は我々にとっても大きな課題。鹿児島の大学生に鹿児島で働く魅力を伝え、交通インフラを担う使命を果たしたい」と話した。同大の佐野輝学長は「これまで費用などの面で夢をあきらめた学生もいた。経済的な負担を気にすることなく、全9学部の学生の中から地域に貢献したいという人材を発掘していきたい」と語った。

締結式では、今回の協定の橋渡しとなった京セラの稲盛和夫名誉会長から「この取り組みがパイロットになりたいという強い思いと、故郷に貢献したいという美しい思いを抱く若者たちの志の受け皿になる」とメッセージが伝えられた。