奄美市永田墓地利用計画審議委員会

永田墓地を視察する審議委員ら

永代使用料で貸出す方針
現地視察、返還済み区画など確認

奄美市名瀬の市有墓地「永田墓地」の管理や利用の在り方などを協議する「永田墓地利用計画審議委員会」は16日、同墓地の現状を把握するため現地視察、利用者から返還され更地となった区画などを確認した。その後、市役所で第2回会合を開き、今後の墓地利用の在り方などについて意見交換。利便性の高い場所について、永代使用料を徴収する方法で、貸し出しを始める方針などが示された。

委員らは、江戸時代後期から明治期にかけてつくられた墓が点在する旧墓地と、それ以降に整備された新墓地に分かれる永田墓地全体を視察。旧墓地では、文化的、歴史的価値について、市教委の説明を受けるなどした。

新墓地については、市が進める利用計画案で、▽市道に近いなど利便性が高く今後、貸し出し可能な区画▽通路が狭く、危険箇所が多いことから貸し出しは行わず、危険箇所などの解消と更地化を優先する区画▽市道より遠く高低差もあり墓参りは困難と判断される区画―に分けられた3エリアの現状や、来年度以降の貸し出しを検討している区画の現状などを確認した。

今後の墓地利用の在り方については、①文化的、歴史的価値を有する旧墓地は、利用計画から除外し、現状保存しながら文化的な利活用を検討する②永代使用料を徴収する方法で貸し出し、評価額については、市内の民間墓地の取引価格と同程度の価格設定とし、民業圧迫を避ける③市道に近く利便性の高いエリアに仕分けされた81区画を貸し出し対象とする―など、市が示した計画案を概ね了承。前回、委員から要望のあった休憩スペースの設置や水道利用箇所の増設などを要望する方針も盛り込んだ。

同委員会では今後、無縁墳墓に埋葬されている遺骨の取り扱いや市営納骨堂の必要性などについても協議する方針で、次回会合を11月中旬に開催予定。市は同委員会の報告を受け、来年2月にも利用計画を策定する。