離島中学生イレブンに期待

徳之島の中学生サッカーチーム「TFA」を特別指導して感動させた、神村学園高等部男子サッカー部の有村圭一郎監督(中央)=20日夜、徳之島町亀津中

高校サッカー強豪 有村・神村学園監督
徳之島「TFA」を特別指導

 【徳之島】全国高校選手権や全国高校総体第3位、県選手権3連覇中の高校サッカー強豪の神村学園高等部男子サッカー部の有村圭一郎監督(43)が20日、生徒募集のため徳之島町入り。夜は亀津中グラウンドであった島内中学生チーム「TFA」(町田祐太監督、上野蓮斗主将・部員22人)の練習に参加し、同学園練習のメニューで約2時間の特別指導して感動させた。

 「TFA」(徳之島・フットボール・アカデミーの略)は、スポーツ少年団活動に続く「中学生サッカーの継続・振興」を目的に2016年度、3町の希望生徒らで結成した連合チーム。「黒潮旗争奪南3島中学生サッカー大会」(沖永良部島会場)は5連覇中。計120チームが出場した今年8月の「KFA第32回鹿児島県U‐15サッカー選手権」では3勝し、ベスト16に進出。くしくも神村学園中等部(準優勝)に敗れたが、離島イレブンの活躍は同学園高等部の有村監督の熱視線を誘った。

 有村監督の「生徒募集」による徳之島入りは昨年に続いて2度目。目的はすばり〝有望生徒(部員)ら特待生〟の募集。TFAに指導協力している県中学生選抜監督の加藤清隆氏(天城中教諭)との縁もあり、今回の特別指導も実現した。

 午後7時からあった特別指導で有村監督は、周りの状況を瞬時に見極め「頭を使ったプレー」のパス回しとコントロールの大切さをしきりに強調。突風に土煙が舞うあいにくのコンディションの中、約2時間にわたって熱心に指導した。

 中学生たちの印象で「身体能力が高く素質のある部分もあり、大いに可能性がある。本土の子たちに比べても能力の高い子が多い」。指導上の要諦には「ボールを回す以外に、周りを良く見て、いろんなことを判断して体を動かす習慣化が大事。本校(神村学園高)独自のデイリーメニューから、パス&コントロールに判断の要素が入っ練習メニューを紹介した。毎日やっていれば必然的に力がついてくると思う」とも。

 既に神村学園への特待進学を決めている上野主将(15)=亀津中3年生=は「県強豪校の監督から教えてもらう機会は島では少なく、見て学ぶ大切さも知った。高校(神村学園)での3年間でメンタル面も技術面も成長してプロを目指したい」。鈴木舵斗さん(15)=同=も「ふだんはしない細かい練習が出来て良い経験に。3年後は全国大会(国立競技場)のピッチに立って点数を取り、勝利に貢献できる選手になりたい」ときっぱり。