徳之島町の福教育長と伊藤さんに文科大臣表彰

文部科学大臣表彰の伝達を受けた徳之島町の福宏人教育長(左から2人目)と、同町スポーツ推進員の伊藤勝次郎さん(同3人目)=23日、同町役場

ICT教育と生涯スポーツ功労

【徳之島】2020年度の文部科学大臣表彰に、徳之島町から▽福宏人教育長(60)=山=が情報教育・視覚教育功労者▽同町スポーツ推進指導員会長の伊藤勝次郎さん(57)=母間=が生涯スポーツ功労者として輝いた。23日、同町役場で伝達式があり、県大島教育事務所の松本遵所長が2人の功労をたたえた。

 視聴覚教育・情報教育功労の福教育長は、各小学校教諭・校長を通じ20年余、学校での視聴覚教育メディアの活用などICT(情報通信技術)教育に尽力。特に、12年4月の母間小校長に赴任直後からは、少人数・複式学級における授業改善の方策としてICT教育の重要性にいち早く着目。15年度から文科省研究指定(3年間)を受け、複式学級の悩みを解消するための遠隔授業を研究・開発し、全国から「徳之島型モデル」として脚光を集めた。

 18年7月の町教育長就任後は、町教育大綱の柱に「新時代の最先端技術活用を通した『最先端の学びの町』」を掲げて推進。新型コロナ禍でのオンライン授業の活用にも尽力している。

 大臣表彰(9月1日付)には「先生方も子どもたちのためにと頑張ってくれたことが印象深い。コロナ禍でいろんな形のICT遠隔が注目を集めている中、今後も離島へき地ならではの教育に頑張っていきたい」と感想を語った。

 伊藤さんは、道路工事関連技術者の傍ら、約30年間にわたって町スポーツ推進委員を続けている。特に、母間小スポーツ少年団指導者や町バレーボール連盟審判長として長年、同競技の普及・振興にも大きく貢献。08年には県体育指導委員功労者、16年には九州地区スポーツ推進委員功労者として表彰を受けた。

 文科大臣表彰(今月12日付)に、「九州地区表彰がスポーツ推進員〝けじめ〟と思っていたが、30年間もよく続いたものだと思う。大きな成果はないが、続けられたのは家族のおかげ」。長年の活動を通した喜びは「25歳ごろから約22年間指導した母間小スポーツ少年団の歴代団員たちが、今でも監督やコーチと呼んで声をかけてくれる。その成長がみられる地元ならではの人間関係もうれしい」と話した。