腐敗、産卵しやすく

摘果後に放置されたままの果実。規模が大きくなると回収労力の問題もある(タンカン園で)

摘果後のタンカン果実放置
埋設など適切処理を
ミカンコミバエ

 果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの幼虫の果実寄生が徳之島町で確認され、24、25日には関係機関による寄主果実の除去などが行われた。対象となったのが幼虫寄生のグアバ(バンジロウ)だけでなく、タンカンなどのかんきつ類も。安定収穫に欠かせない摘果作業後の果実の園内放置が目立ち、回収が行われたが、同様の状況は果樹農業が盛んな奄美大島でも見られる。ミカンコミバエの繁殖要因になるとして関係機関は適切な処理を呼びかけている。

 門司植物防疫所によると、植防や県、地元自治体(徳之島町だけでなく徳之島3町の農政担当職員)、それに生産者も参加した寄主果実除去・ベイト剤散布は、幼虫が確認された母間地区を中心に確認地点から半径2㌔以内で実施された。除去などによる果実の回収量は現在集計中で、近くまとまる見通し。今回の2日間で終了ではなく、27日には再び国・県の関係機関が現地入りする予定で、引き続き実施される。

 当初の予想以上の回収量となっているのはタンカン栽培園に放置されている果実が多いため。2月が収穫時期のタンカンの果実はまだ青く硬いが、摘果後に放置された果実は腐敗により黄色くなっている。門司植防の中川智秀統括植物検疫官は「摘果後の果実を園内に放置するのは良くない。腐敗により熟れた状態にあり、ミカンコミバエの雌成虫が卵を産みやすくなる。園外に持ち出し廃棄するか、園内で地中に埋設してほしい」と指摘する。落下した果実をそのまま放置せず適切な処理のほか、県や町、JAでは生産者に対し栽培防除暦に沿って適切な薬剤散布も呼びかけている。

 果実の放置は徳之島だけの問題ではない。山間部を中心に園があり、タンカン栽培が盛んな奄美市名瀬地区など奄美大島の園地も同様の状況だ。ただし面積がヘクタール単位の大規模農家になると難しい事情を抱える。一つの木で400~500個収穫するとなると、その何十倍も果実を落とさなければならないため。摘果作業は年に3回ほど繰り返すが、「摘果のたびに果実を回収し処理するとなると大変な労力を伴う。肥料代わりとしてそのまま放置している。規模が大きくなると日常の作業の中での摘果した果実の回収は困難。適切処理(埋設など)が必要と判断した場合、産卵面から皮の厚さとの関係、時期などを明確にしてもらいたい」と注文する生産者もいる。