奄美市、コロナ緊急対策第4弾

特別給付金漏れ新生児に10万円
インフルエ予防接種、65歳以上全額助成

 奄美市は29日、総額2億5830万円の新型コロナウイルス感染症緊急対策事業(第4弾)を盛り込んだ2020年度一般会計補正予算(第8号)を専決処分した。1人当たり10万円の国の「特別給付金」から漏れた新生児(2020年4月28日~21年4月1日に誕生)に対し、10万円を市独自に給付する「新生児特別給付金」として3200万円を計上したほか、65歳以上の高齢者を対象にインフルエンザ予防接種を全額補助する助成事業3710万円など、感染防止、生活支援、経済対策など14事業を実施する。

 予算の内訳は感染防止対策関連費が1億1520万円、生活支援(子育て世帯応援)9120万円、経済対策(市民・事業所支援)5140万円など。財源のほとんどを財政調整金で充当した。これまでに実施したコロナ対策関連予算の総額は62億5042万円。財源の内訳としては、特別給付金などの国庫補助金等が48億1515万円、臨時交付金2億2839万円、財政調整基金12億687万円。今回の補正後の財政調整基金残高は24億4591万円となっている。

 生活支援では、▽1人当たり10万円を給付する新生児特別給付金の対象者を約300人と想定。国の特別給付金の基準日(4月27日)以降に産まれた新生児を支援する▽0~6歳の未就学児(約2500人)世帯に対し、子ども1人当たり5千円分の商品券を支給する事業に1550万円▽島外の高校や専門学校、大学、大学院に通う生徒・学生(約1400人)を対象に1人当たり3万円を給付する学生応援事業に4300万円―などを計上している。

 感染拡大防止対策では、▽65歳以上の高齢者(最大1万3500人)のインフルエンザ予防接種について、現行の6割助成を全額助成に変更、予防接種を推進することで、新型コロナとの同時流行に備える▽PCR検査助成事業(420万円)は、老人福祉施設や社会福祉施設で感染者が発生した際、行政検査の対象から外れた65歳以上の施設利用者や関係者などについても、PCR検査費用(1人当たり2万8000円)を全額助成する。

 このほか、店舗感染防止対策支援事業(5100万円)として、市内の小売店、飲食店、理美容店(約500店想定)が実施した感染防止対策について、1店舗当たり10万円を上限に、全額を助成する。対象となるのは消毒器やフェイスシールド、検温計、加湿器や空気清浄機などの換気器具などで、同様の県事業が10月末で終了することから、11月1日から市独自の新たな支援として開始する。

 経済対策では、奄美大島5市町村で連携して取り組む「宿泊・体験プログラム助成事業」に4290万円を計上。すでに予算計上した2千万円と合わせ6千万円規模(5市町村全体で8千万円)となった。同事業は奄美大島内の宿泊施設や体験プログラムの利用者のうち、抽選で選ばれた利用者に対し、費用の半額を助成するもので、11月中旬からハガキで応募を受け付け、12月から事業を開始する予定。

 このほか、市内の小、中、高校を来春卒業予定の児童生徒約1260人を対象に、「卒業の思い出づくり応援事業」として740万円を計上。新型コロナの影響で学校行事などが中止、縮小となったことから、1人当たり5千円を助成、各学校などで計画するイベントなどの費用などに充てることにしている。