新型コロナ重症化想定 初の地上・空輸訓練

新型コロナウイルス患者の重症化を想定してあった島外搬送訓練=2日午前、徳之島町亀津新漁港

顔の見える連携重要
徳之島3町や空自

 【徳之島】重症化した新型コロナウイルス患者の地上搬送および緊急空輸を想定した「徳之島地区同患者搬送訓練」(徳之島3町共催)が2日午前、徳之島町亀津新漁港を中心にあった。各町行政・地区消防・医療など地元関係機関と、航空自衛隊南西航空方面隊(那覇市)などが連携。同患者対応と併せて各種災害対処への「顔の見える」連携意識も高め合った。

 新型コロナ患者搬送活動の演練を通した災害対処能力の向上をはじめ関係機関の連携強化、空自の災害対処活動に対する離島住民の信頼醸成―などが目的。3町当局や地区消防組合、医療機関(宮上病院、徳之島徳洲会病院)、徳之島保健所など関係者が参加。

 南西航空方面隊は、南西諸島の急患空輸も担っているが新型コロナ関連の訓練は今回が初という。

 訓練は、県のPCR検査で陽性判明していた2病院の患者2人がその後重症化し、鹿児島市の病院への緊急搬送が必要―と想定。県知事の災害派遣(急患空輸)要請で南西航空方面隊の大型輸送ヘリコプター(CH‐47J)が出動した。

 感染防止衣に身を包んだ救急隊がトランスバック(感染症患者隔離搬送用)で覆った患者役を亀津新漁港に搬送。機体内部が透明シートなどで厳重に隔離されたヘリに搬入。参加者たちには機内の特別公開もあった。

 訓練には、南西航空方面隊司令官の鈴木康彦空将(55)も同行した。訓練終了あいさつで「この事態が起きないことが望ましいが、備えは必要でその一歩になった」。引き続き「コロナ対策だけではなく今後いろんな面で協力が必要。お互いが顔を合わせながら検討を重ね、どんな事が起きようとも迅速に対応していきたい」と連携協力を要請した。