伝統の「アキムチ」復活ハロウィーンと合体

「ハロウィーン」と「アキムチ」融合?の子ども会イベント=10月31日、伊仙町阿権

子ども達の仮装隊、元気ふりまく
伊仙町阿権

【徳之島】伊仙町阿権集落(重松信雄区長・約135世帯)で10月31日夜、阿権子ども会育成会(田中真須美会長)の「ハロウィーン」イベントと併せ、集落の伝統行事「アキムチ」の家回りが約20年ぶりに復活した。住民たちの「ドンドン節」の唄踊りとともに、子どもたちの仮装隊が元気をふりまき、家々からはお餅やお菓子が振る舞われた。

 アキムチは他地域の「ムチタボレ」などと共通、稲作儀礼に基づく豊作・予祝祭の一種。重松区長(75)によると、阿権集落では毎年9月末の伝統行事だが約20年前、近隣集落で参加者がハブに咬(か)まれるアクシデントがあり中断。以来、阿権小校庭での十五夜行事と抱き合わせて踊りのみは行っていたが、今年の十五夜行事は新型コロナ禍で中止された。

 子ども会では今年度活動イベントの一つに「ハロウィーン」を初計画していた中、アキムチ行事との抱き合わせ案が浮上。「仮装をして踊り〝お餅をくれなければイタズラをしちゃうぞ〟というモチタボレ(餅給ぼれ)の歌詞と、お菓子などをもらって回るハロウィーンとの共通性が。土曜日と重なったこともあり合同開催に」と田中育成会(43)。

 思い思いのキャラクターに仮装した子どもたちや保護者、地域住民など約40人が参加。阿権小を発着点に太鼓の音を響かせ、重松区長宅など計3軒を訪問。庭先でドンドン節の唄と踊りを披露し、訪問先からはお礼の餅やお菓子が振る舞われ、テルかご一個分を満たした。

 仮装して元気よく踊っていた田中雄大君(阿権小5年生)は「とても楽しく、昔やっていた行事にも参加できてうれしい。来年も参加したい」と満足そうに話した。

 学校敷地では引き続き、満月(ブルームーン)の月明かりの下、校舎の白い外壁をスクリーンにアニメーションなど動画の上映会も楽しんだ。