与論で新たに感染5人

県本土や奄美大島に搬送も 県、感染拡大を懸念
新型コロナ

 県は4日、与論町で新型コロナウイルスの感染者が新たに5人確認されたと発表した。4日発表の5人と合わせ同町内の感染者は計10人となった。地頭所恵・県くらし保健福祉部長は会見で「現時点ではクラスター(感染者集団)発生とは考えていない」としながらも、「今後、感染が拡大する可能性は高い」と懸念する考えを示した。

 この日の概況発表によると、新たに感染が確認されたのはいずれも同町在住の20代男性、40代女性2人、10歳未満の女児、10代女性の5人。濃厚接触者は前日に詳細調査中としていた40・50代の男性分を含め、親族や知人、職場関係者の合わせ63人に上った。

 県は4日までに県本土の医療機関に1人、奄美大島島内の宿泊施設に4人をそれぞれ自衛隊ヘリで搬送したことを報告。いまのところ感染経路はわかっておらず、聞き取りの対象範囲を広げて調査を進めていくとした。

 県庁で開いた会見で地頭所部長は、濃厚接触者全員にPCR検査を実施する方針を明かした。報道陣から8月7日以来の感染発生によるクラスター認定の可能性を問われたのに対し、「現時点で相互感染は確認しておらず、認定については未定。感染数と濃厚接触者の行動歴などから今後判断される」と述べるにとどめた。

 ここ最近の県内感染者数の減少で、県は記者会見を開いていなかった。今回の開催について「記者対応が必要な状況となった」(県健康増進課)と説明。今後の発表に備える姿勢を見せている。

 4日現在、県全体の感染者数は488人。3日現在、医療機関に12人が入院、宿泊施設に8人が入所している。