全国3校つなぎオンライン防災授業

全国3校つなぎオンライン防災授業

3県の小学校をICTオンラインで結び、人型ロボットを補助教師にあった世界津波の日」防災授業=5日、徳之島町花徳小

補助教師に人型ロボットも
徳之島町花徳小で「世界津波の日」に

 【徳之島】徳之島町花徳小学校(石川雅実校長、児童数34人)で5日、和歌山、茨城両県内の3校をオンラインでつないだ「SDGs未来都市をつなぐ『世界津波の日』防災授業」(町主催)があった。ソフトバンクグループ開発の「RoboBlocksスクールテンプレート」と人型ロボット「Pepper」を活用した全国初の「津波編」。地理的環境の違う3校の児童らがICT(情報通信技術)による同防災の遠隔授業で交流した。

 花徳小は文部科学省指定「学校安全総合支援事業(防災分野)」の大島地区研究指定校。2015年度からは小規模校における複式学級の学びの質の向上を目的とした同省研究指定も受け、19年度からは大島地区研究指定を継続。ICT活用の遠隔授業「徳之島型ICT利活用教育推進事業」を推進している。

 花徳小図書室と結んだ同合同授業に参加したのは、徳之島町と同じ「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」に選定(内閣府地方創生推進室)された、▽和歌山県和歌山市立の砂山小6年1・2組の児童70人と▽茨城県つくば市立の竹園東小5年2組の児童32人。

 合同授業は花徳小の畠田堅二教諭(43)と、補助教師の人型ロボット「Pepper」が担当。ソフトバンクグループ㈱とソフトバンクロボティックス㈱が開発・プログラミングした授業コンテンツ(17年度から提供)のうち防災授業の「津波編」(気象庁監修)のオンライン授業は全国初という。同社の担当者によると、3地域(校)の選定はSDGsの共通性のほか、津波高が高くなりやすい傾向にある和歌山市に対し、内陸部のつくば市など「互いの環境の違いの学習も」念頭に選んだという。

 3校の児童たちは、Pepperの解説と画像による「大波と津波の違い」、地震発生からわずか3~5分で奥尻島が津波に襲われた北海道南西沖地震(93年7月12日)などの例、津波発生のメカニズム、警報と注意報、避難する場所などについて学習。

 それぞれの感想をワークシートに書いて各校の代表2人ずつが「津波の被害に遭わない、普段から避難路を確認。高い所にすぐ逃げる」、「日ごろから危ないところを確認して防災グッツも準備する」など意見を発表して拍手を送り合った。そして、①できるだけ高い場所に②自分からすぐに逃げる。「もしもに備える。正しい知識を持つ。自分は大丈夫と思わない」など胸に刻み合った。

 人型ロボットを交えたオンライン授業に、花徳小の徳田虎之助君(4年)は「楽しかった。津波のことはあまり知らなかったが、津波が発生したらきょうの授業で習ったことを思い出して、自分から進んで逃げます」と話した。