与論で新たなクラスター

新型コロナ 7月に続き2回目
15人の感染確認 ラウンジ利用客ら、龍郷町在住1人も

 県は5日、与論町で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。同日、新たに15人の同町クラスター関連感染者を確認した。うち1人は龍郷町在住の50代男性。4日までに判明している10人を含めたクラスターは計25人となった。このクラスターに関連して県は、同町茶花の接待を伴う飲食店「ラウンジRose(ローズ)」の店名を公表、同店での感染が多く確認されているとして、利用者に医療機関や保健所への相談を呼び掛けている。与論町でクラスターが発生したのは、7月(感染者56人、うち1人は鹿児島市在住)に続き2回目。奄美大島での感染確認は、4月(同2人)以来3人目となった。

 同日、与論町で新たに感染が確認されたのは、10歳未満女性1人、20代女性1人、30代男性2人、50代男性6人、50代女性1人、60代男性2人、70代男性1人の計14人。1人が倦怠感を訴えているが、多くは無症状。

 龍郷町の50代男性は、与論町の感染関連としてPCR検査を実施、陽性が確認された。行動歴などは現在調査中で、県は濃厚接触者の有無も含め調べている。

 県によると、これまでに分かっている「ラウンジ Rose」関連の感染者は、店員3人、利用客7人、その他(親族など濃厚接触者)4人の計14人。5日に県庁で開いた記者会見で地頭所恵・県くらし保健福祉部長は、「同店を中心に同町全体でクラスターが発生したと考えている」との認識を示し、同日、厚労省にクラスター対策班の派遣を要請したことを明らかにした。

 県は、今回発生した与論町クラスターの感染者の多くが同店の利用客だったことから、10月18日~11月1日の間に利用した人に対し、医療機関や徳之島保健所(電話0997―82―0149)などに相談、連絡するよう呼び掛けている。

 県は、同町クラスター関連で、濃厚接触者など140人についてPCR検査などを実施している。一方で、この日判明した感染者については、詳しい行動歴や濃厚接触者などは調査中としており、今後さらに検査対象者が増える可能性もある。

 5日現在、県本土の医療機関に1人、与論町内の医療機関に3人が入院。奄美大島の宿泊施設に5人が滞在、15人(うち1人は龍郷町)が自宅待機、4人を島外医療機関に搬送した。

 県内ではこのほか、鹿児島市と曽於市で各1人の感染を確認。累計感染者数は505人となっている。