情熱の赤、ストール染めに挑戦

家族や友人に贈るためのストールを持ち寄り、草木染めを楽しむ子どもたち

 

手熟師会子ども講習会
安田さん講師に草木染め

 

 子どもたちにもの作りの魅力を伝えようと奄美手熟師会(岬眞晃会長、講師14人)が主催する2020年度「子ども講習会」の7回目が8日、龍郷町中勝の花ろまん染織工房であった。今回は染色工芸家の安田謙志さんを講師に、「草木染め」に挑戦。子どもたちは、赤く染まるスオウの樹皮から煮出した染液を使い、家族や友人に贈るためのストール(肩掛け)を情熱的に染めた。

 講習会は、奄美在住の職人や作家などの有志が集まり、陶芸や昔遊びなどの創作体験を定期的に開催。この日は7家族・約20人が参加した。

 スオウはマメ科の小高木で、インドやマレー諸島が原産。安田さんは「奄美は染め物への思いも強く、その中でも特に赤には情熱的。昔は材料もなく、(赤を煮出せる材木の)タンスを壊してでも愛する人のために染めたという憧れの色」など、参加者を前に草木染めを解説した。

 子どもたちは、持ち寄ったストールを薄めたスオウの染液に浸し、色止め効果のある媒染液に入れたり水洗いを繰り返したりと染色。段々とピンク色に染め上がるストールを眺め、化学的反応の不思議さに声を上げた。

 奄美小1年・益満彩芽さんは「きれいなピンクにできて楽しかった。お母さんにプレゼントしたい」と喜んだ。

 次回は来週15日。写真家・別府亮さんが講師を務める。