学生数減少続く現状報告

専門学校内の施設を視察する議員ら

地元市町村議ら 支援策など意見交換
奄美看護福祉専門学校

 奄美市の奄美看護福祉専門学校(向井奉文校長)の教職員と同市、大和村、龍郷町の議員有志らによる意見交換会が9日、同市名瀬小湊の同校であった。少子化や地元高校生の都市部への進学などの影響で、学生数の減少が続いている同校の現状などが報告され、看護や介護分野の人材育成に取り組む同校の存続に向け、島内自治体の支援や奄振事業活用の可能性などについて意見交換した。

 同校は旧名瀬市などが誘致を推進、1995年に学校法人日章学園(本部・宮崎県)によって開校された。これまでに約1900人が卒業、約700人が群島内の医療機関や介護福祉施設などに就職。地域の医療・介護分野の人材育成機関としての役割を果たしている。

 一方で、少子化による人口減少や群島内の高校を卒業した若者の大都市志向などの影響もあり、学生数は減少傾向にあるという。
 同校には現在、「看護学科」(定員40人)と「こども・かいご福祉学科」(同)がある。こども・かいご福祉学科の入学者は毎年十数人程度で推移、現在、3年生13人、2年生17人、1年生11人が在籍、大幅な定員割れが続いている。

 看護学科は毎年、ほぼ定員と同数の約40人が入学しているものの、「応募者は年々減少傾向にある」という。
 こども・かいご福祉学科担当の教職員は「介護職はきついといった印象などから敬遠する高校生も多い」などと指摘。看護学科の職員も「群島内の離島から入学する学生も減少傾向にある」などと話した。

 こども・かいご福祉学科では、近畿大学九州短期大学と連携、同科に入学した学生が同短大通信教育部に同時入学できる「W(ダブル)スクール学習システム」を導入。卒業時に短大卒業資格も取得でき、介護福祉士のほか、保育士や幼稚園教諭の国家資格の同時取得が可能となるカリキュラムを実施していることなども紹介された。

 一方で、こうした取り組みが広く知られていないことから、参加した議員からも「初めて知った。もっと、広くPRすべき」などの意見がでた。

 同校の寺師敬子副校長は「学校の存続だけでなく、奄美の医療・介護分野の人材育成に向けた支援をお願いしたい」などと要請。議員からは、県外への広報活動や定住促進、人材育成などの視点から奄振事業の活用などの提案もあった。