千葉県芝山町・航空科学博物館で「奄美群島フェア」

奄美を連想させる花々で飾られた入口付近の「粋な演出」

関係者に囲まれながら、佐久間勇副町長に自らが作詞した「奄美の島イモーレ」を贈呈する佐藤文子さん(龍郷町出身で東京都大田区在住)は、「小中学の音楽の授業で歌っていただけたら」と笑顔

奄美の魅力を伝えるチラシなどが用意されたイベント会場

 空に一番近い町で、奄美を堪能!千葉県の芝山町にある「航空科学博物館」(山武郡芝山町岩山111―3)で7、8日の両日、「いもーれ芝山!航空科学博物館へ」と銘打った「奄美群島フェア」が開催された。コロナ禍とあって、大々的な宣伝はなかったものの、熱く展開されたイベントを写真特集で振り返る。(写真は7日のもの、8日は物産販売のみ)

 イベントは、航空科学博物館が主催、交流を開始して5年目を迎える芝山町と奄美市などが協力するかたちで行われた。芝山町で取れる野菜などの特産品、奄美市からもおなじみのフリーズドライの鶏飯や黒糖、大島紬のマスクなどが並べられた。旅情を誘う航空機の爆音が上空に轟くもと、「奄美の島イモーレ」がBGMとして、来場者を迎えていた。

 企画に当たった、総務課企画担当部長の八木保夫さんは、「シマ唄もいいですが、一度聴いたら忘れられないシンプルなメロディ。何といっても奄美の魅力あふれる歌詞が良かった」。BGM曲を探しに奄美を訪れた際、セントラル楽器店で出合った経緯を説明。「奄美のいい所が詰まったイベントになりましたね」と笑顔で語った。その後、艶やかな白大島紬で里歩寿さんがシマ唄をステージで熱唱。また奄美市、芝山町、ピーチアビエーションによる観光PR。さらに大島紬アンバサダーによる、大島紬ファッションショーが華やかにステージを彩った。ほか、芝山中学校のパネルコーナーも。地元とは違う環境の中で、集団生活のルールなどを学び、学級学年の団結を強め、自然の雄大さや環境を大切にすることを目的に体験学習。2015年から奄美と交流が始まっている。サンゴ礁の真っ白な砂浜と澄んだ奄美ブルーの海に、生徒たちは驚いていたという。

 二日間にわたった「空の町と南の島の交流」に、「こんな時期に南国気分が味わえるなんて」と訪れた人たちは、笑顔の花を咲かせていた。
 (東京支局・高田賢一)

里歩寿さんシマ唄を熱唱!会場に心地よい島風吹かす

奄美の風景を背景に熱唱する里さんとチヂンを演奏する八木さん。八木さんはLCC(格安航空)就航を機に毎年奄美を訪れる、熱烈な奄美ファンだ

 瀬戸内町古仁屋生まれで「最初に話した言葉がシマ唄」ともされる里さんだけに、丁寧な解説と軽妙な話術で会場を奄美一色に染めた。「朝花節」「行きゅんな加那」などを伸びやかな声で熱唱。成田空港から奄美へLCCの思い出なども披露した。「シマ唄が心に沁みた」と感激の声が寄せられたステージでは、この日イベントを仕切った大島紬姿の八木さんが登場。チヂンを巧みに演奏、島っちゅ顔負け(本人は千葉県人)の奄美愛を見せていた。

華やかで艶やかな大島紬ファッションショーにため息

 イベントを締めくくったのは島出身者たちによる「大島紬ファッションショー」。デザインの違いなどを解説しながらの華やかな演出に「高価な大島紬が身近で見られ、分かりやすかった」。ため息交じりの感激の声が上がっていた。与論島出身の大山和子さんは、18年前に100歳で他界した祖母への感謝の気持ちを込め「龍郷柄」の大島紬でステージへ。祖母は、若い頃、龍郷町で大島紬の機織り修行をし、与論島に戻り織工をしながら周囲の人たちに技術を伝えている。

華やかにステージを飾った出演者たち。「龍郷柄」を披露する大山和子さんは、ミセスモデルとしても活躍している

会場に鳴り響くシマ唄に聴き入る人たち

「空に一番近い町」として、しばっこくんと一緒にPRをする芝山町

自然豊かな奄美での交流などの様子を伝える、芝山中のパネルの一部

奄美市と奄美市東京事務所の精鋭たちがタッグで奄美をPR

航空機関連の玩具などをそろえて応対するスタッフ。隣には芝山町の野菜が並んだ

町田酒造㈱東京営業所からのスタッフは、大盛況に追われていた

ピーチアビエーションのコーナー。客室乗務員との記念写真も