ナイトツアー車両規制実験終了

実証実験について説明する環境省の職員たち(提供写真)

未予約で守られないことも
環境省

 環境省は23日、奄美市住用町の市道三太郎線周辺での野生動物を観察するナイトツアーの車両規制実験を終了した。実験の期間は19~23日の5日間、午後6時から11時までだった。

 実験の内容は①三太郎線の事前予約制、台数制限、一方通行②市道スタル俣線と市道石原栄間線の夜間通行止め③夜間観察のルールを▽晴天時は時速15㌔以下、雨天時は時速10㌔以下で走行▽前の車に追いついたらいったん待機し、無理に追い抜かない▽動物から離れ、静かに観察する▽ペットを連れて行かない―などとした。

 各施策に対する実験結果は以下の通り。

①予約は車両同士の間隔をあけて15分ごとに1台ずつ、1日の利用台数の上限は20台としたところ、5日間の事前予約は19日15台、20日10台、21日18台、22日17台、23日16台の計76台。うちガイドの車は42台、他は地元住民やレンタカーなどだった。事前予約していなかった車は計5台で、うち3台は説明を聞いて利用を自粛し、2台は法的根拠がないとして協力してもらえなかった。車と車の間は15分あけていたが、観察のスピードが異なるため、車が連なってしまうなどの課題が浮き彫りになった。
②夜間通行止めについては未予約の車で一部守られないことがあった。

 夜間観察のルールや満足度など詳細については、利用者に依頼したアンケート約300枚を12月7日までに回収し、集計・分析する予定。

 環境省は実験結果を検証し、年明けに地元関係者向け説明会を行い、年度内にルール改訂方針策定、準備の上で奄美・沖縄の自然遺産登録審査が行われる2021年度夏ごろまでには本番の利用ルールを導入したいと考えている。

 奄美野生生物保護センターの早瀬穂奈実国立公園管理官は「ご協力くださった方々に感謝している。おかげで必要なデータをとることができた。動物観察はある程度できたという声をいただいている。ナイトツアーは観光コンテンツとして重要なものになってきている。需要が増える前に運用ルールを定着させておきたいので、これからも協力をお願いしたい」と語った。