結婚披露宴 新様式・リモートで実現

泉匡哉さん、夏鈴さん夫婦

ハプニングもありつつ、リモートと会場でハーモニーを奏でた

5都府県10カ所と中継
遠隔でつながり2人の門出祝福
「人の温かさ一層伝わる」

 新型コロナウイルスの影響で、結婚式や披露宴などの会席の延期や中止が相次ぐなか、奄美市在住の新郎新婦が28日、リモートで本土の親族や友人とつながり披露宴を開いた。会場には島内在住の参加者92人が来場。3密を避けるために屋外での開催となった。リモート参加の24人は、5都府県10カ所から遠隔でつながり、2人の門出を祝福した。

 新郎新婦は泉匡哉さん(26)と夏鈴=かりん=さん(24)。入籍した昨年の10月当時は、市内のホテルで島内外から約300人を招き披露宴を行う予定だった。しかし新型コロナが猛威を振るいだした今年3月ごろにやむなく断念。あきらめかけていたところ、知人らの声掛けから同方式での開催を決意した。7月から準備を始め、多数の島内企業の協力のもとで当日に至ったという。

 会場は山羊島ホテル、本土への映像配信はアーマイナープロジェクトをはじめとした島内の企業や事業所が携わった。

 リモート参加者は、新郎新婦の登場や乾杯する姿を画面上で共有。婚礼料理も事前に各所へ配達されており、同じ食事を味わいながら和やかな時間を過ごした。夏鈴さんの友人のひとりは本土から気持ちを込めて手紙を読み上げた。その姿はスクリーンに映し出され、夏鈴さんや会場の友人らが涙する場面もあった。

 また、余興ではリモート参加者と会場が一体となり一曲披露。リモートならではのハプニングも笑いに変えた。

 匡哉さんは「開催を決めてから、多方面から予想以上の協力を受け、驚きとともに感謝の気持ちでいっぱい。より一層人の温かさを感じた」と喜びを語り、「コロナ禍で披露宴の開催を検討している人の後押しになればうれしい。そして、このような方式での開催が周知されることで、今回お世話になった企業の方々に少しでも恩返しできれば」と話した。